【W杯の光と闇③】アルゼンチン初優勝の裏で囁かれ続ける“八百長疑惑”の真相

内部関係者の証言が積み重なる

後年、明らかにされた関係者らの証言もそれを深めるものだった。決勝で対戦したオランダの元代表FWヨニー・レップは「アルゼンチンは決勝進出に4点必要だったのに、6点も与えた。チーム内では全員がペルーは賄賂を受け取っていたと確信していた。あの状況で6-0など不可能だ」と語った。

また、ペルーの元代表選手ベラスケスは「多数が買収されて八百長をした」と実名を挙げて証言。ロッカールームでビデラ大統領がペルーのベルムーデス大統領の「我々は同盟国だ」という祝辞を読み上げた、とも述べている。

疑惑は疑惑のまま――真相は今も闇の中

しかし、試合が不正に操作されたことを示す決定的な証拠は見つかっておらず、疑惑は今も決着していない。アルゼンチンの選手たちが真剣に戦ったことは事実であるが、軍事政権がW杯を政権安定のアピールに利用しようとしていた背景が、この試合の評価をさらに複雑にしているのだ。

栄光の初優勝の裏に何があったのか。半世紀近くが経った今も、1978年のアルゼンチン対ペルー戦は、世界的イベントの裏側でスポーツの政治利用があったのかを静かに問い続けているのである。

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