【2026年W杯】ブラジル・ポルトガル・スペインが初戦ドロー──優勝候補3カ国のアキレス腱と第2戦の行方
◆ スペイン──パス801本で無得点。「外回りパス」と40歳守護神の壁
そして、この「大誤算ドロー」の連鎖にトドメを刺したのが、優勝候補筆頭のスペインだ。今大会初出場の格下カーボベルデを相手に、0–0のスコアレスドローに終わった。
支配率74.2%、シュート27本、パス「801本」と、完全なるワンサイドゲームでありながら無得点。Squawka誌はその本質を「ペナルティエリア内への侵入不足」と一刀両断した。全986タッチ中、エリア内でのタッチはわずか「51回(5.2%)」にとどまり、最前線のオヤルサバルが前半31分まで一度もボールに触れないほど孤立。最後は、40歳の鉄壁守護神・ヴォジーニャに7本のセーブを連発され、2010年南アフリカ大会の「初戦スイス戦の悪夢」を呼び起こす大足踏みとなった。
第2戦の相手サウジアラビアは、まさにカーボベルデ以上の「ガチガチの守備組織」をベースに、一発のカウンターを狙ってくるチームだ。自陣にバスを止めるように引いてくるサウジに対し、スペインが初戦のように外回りのU字パスをダラダラと回しているだけなら、サウジの術中にはまる。初戦で温存された18歳の神童ラミン・ヤマルをスタートから解禁し、彼個人の突破力で強引に中央のバイタルエリアをこじ開けられるか。綺麗に崩そうというプライドを捨て、泥臭くエリア内に侵入しなければ、2戦連続のスコアレスという大失態もあり得る。サウジアラビア戦で勝ち点3を取り損ねれば、グループHは全チームが勝ち点2〜3でひしめく「地獄の最終戦」に突入する。
◆ 勝ち点1の蟻地獄──2戦目ドローで「一発終戦」デスマッチへ
「3位でも上がれる」という新ルールに甘えている時間はない。初戦を引き分けた3カ国は、次の第2戦で「絶対に勝利(勝ち点3)」が義務付けられる、極めて重いプレッシャーを背負う。
なぜなら、今大会から勝ち点が並んだ場合は「全体の得失点差」ではなく「直接対決の勝敗」が最優先されるルールに変わったからだ。さらに、スペインが属するグループHやベルギーのグループGのように、全チームが初戦ドローで「勝ち点1」で真一文字に並ぶ蟻地獄も発生している。
もし大国たちが次の第2戦で万が一大金星を逃し、2連続ドロー(勝ち点2)のまま最終戦を迎えた場合、待っているのはウルグアイ、コロンビア、スコットランドといった同組最大のライバルとの「負けたら一発敗退」のデスマッチだ。初戦で勝ち点3をポケットに入れ、優雅に2戦目を迎えるフランスらとは、ベンチの空気の重さが文字通り雲泥の差なのである。
◆ 日本代表は「静観」でいい──本当のドラマは他会場の優勝候補たちにある
最後に、日本の大物ニュースは他局が山ほどやっているので、こちらはあっさりと。
初戦で強豪オランダと 2–2 の大健闘を見せた日本代表(グループF)。スウェーデンがチュニジアを 5–1 で粉砕したため、日本のタスクは非常にシンプルだ。次のチュニジア戦でとにかく「勝ち点3」をもぎ取る。これさえできれば、勝ち点4の安全圏に到達し、新ルールの恩恵を最大に受けて予選突破がほぼ手に入る。次、勝てばいいのだ。
本当のドラマと、W杯ならではの「カネとプライドが狂う瞬間」は、ブラジルやポルトガル, スペインといった、本来なら高みの見物をしているはずの超大国側のピッチにある。
「1点守るか、それともリスクを冒してもう1点取りに行くか」――。2戦目のホイッスルが鳴った瞬間から、大国たちが1ゴールごとに変わるリアルタイムの順位表に血眼になる。そのコントラスト(明暗)こそが、48カ国W杯のグループステージ第2戦を、最高にスリリングなものに変えていく。
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