「完璧なタイミングなんて来ない」『神さまのノート』著者が説く“人生を変える小さな一歩”

藤原ひろのぶ著『神さまのノート』三五館シンシャ、1,600円(本体価格)

『神さまのノート』三五館シンシャ、1,600円(本体価格)著者:藤原ひろのぶ
ふじわら・ひろのぶ:1980年、大阪府生まれ。NPO法人GOODEARTH代表理事。社会のさまざまな問題に目を向ける中、「貧困」というテーマにたどりつく。現在は日本国内で年間300回以上の講演を行いながら、バングラデシュで学校建設と食事支援を続ける。

「誰かの評価」より「自分の納得」を選ぶ

──「神様」と最初に出会った夜、主人公は小さな一歩を踏み出しました。
藤原 特別な勇気があったわけでも、何かが整っていたわけでもない。ただ、その場で「やってみよう」と決めただけです。多くの人が動けない理由は、準備が足りないからではなく、「完璧なタイミング」を待ってしまうからだと思っています。でも、そのタイミングは来ない。だからこそ、不完全なままでもいいから、一歩だけ前に出る。その積み重ねが、後から振り返ったときに「人生が動いた瞬間」になるのだと思います。

──他人のうわさ話、他人の目、ハッとさせられた読者も多かったと思います。
藤原 他人のうわさ話や視線に縛られてしまう気持ちは、僕自身もよく分かります。ただ、よく考えてみると、誰かのうわさをしている人たちもまた、別の誰かにうわさされている側でもある。そうやって、みんな同じ輪の中にいるだけなんですよね。であれば、自分がどう生きたいかに目を向けた方が、ずっと健全だと思っています。「誰かの評価ではなく、自分の納得で動くこと」。それができたとき、初めて他人の目は気にならなくなっていきます。作中では描けなかったのですが、他人のうわさに振り回される原因って“暇”だと思っています。ガムシャラに何かと向き合っている人間は、うわさ話を聞く暇もないですからね。

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チャンスは「準備した人」の視界に入る

──後半では、主人公の人生に転機が訪れます。
藤原 会社員からフリーランスへの変化も、小さな行動の延長でした。僕の周りにもフリーランスになった人は何人もいます。うまくいっている人たちは才能があったというより、目の前の人間関係や仕事を一つひとつ大切にしてきた人ばかりでした。神様が言ってる「チャンス」という言葉も、どこかに転がっているものではなく、小さな行動を通して準備をしている人の視界にだけ入ってくる。この主人公も気づいていなかっただけで、実は準備できていたのかもしれませんね。だから、ピンチをチャンスに変えることができたのだと思います。

──最後に読者にアドバイスをお願いします。
藤原 伝えたいのは、とてもシンプルです。「行動した人間だけが変わっていく」。これは厳しい言葉にも聞こえるかもしれませんが、同時に希望でもあると思っています。逆に言えば、どんな状況にいても、動けば変わる可能性があるということだからです。ほんの少しでいい。今日、何か一つでも昨日と違う選択をしてみる。その連続が、気づいたときに自分の人生を静かに変えているはずです。
(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」6月25日号より