「あきらめてください」の医師に抗い18場所ぶりに復帰 炎鵬に託された「宮城野部屋」再興の奇跡

両国国技館(C)週刊実話Web

横綱大の里(25)、大関安青錦(22)ばかりか、もう1人の横綱豊昇龍(27)、さらには初日、2日目と連勝し、「今度こそ優勝を」と意気込んでいた36歳の小結髙安まで休場してしまい、満員御礼は垂れ下がっているのに、さっぱり盛り上がらない大相撲夏場所。そこに思いがけない"救世主"が現れた。

それが18場所ぶりに関取に復帰した炎鵬(31)。この身長167センチの小兵が登場すると、館内は連日、まるで横綱、大関でも登場したかのような大きな拍手、歓声が沸き起こり、一気に活気づいた。

脊髄損傷から序ノ口まで降下

ファンは、炎鵬が脊髄を損傷して幕内から一番下の序ノ口まで降下し、「相撲はあきらめてください」という医師の言葉を振り切って努力を重ね、再び十両に返り咲く、という史上初の快挙をしてのけたことをよく知っているからだ。

「特に、関取として1141日ぶりに勝ち星を挙げた初日の盛り上がりはすごかった。栃大海を押し出すと、しばらく歓声が止みませんでしたから。『あきらめなければなんでもできる、ということを証明したい』と本人も意気込んでいました」(大相撲担当記者)

炎鵬はそんな館内の熱烈な後押しを力に変え、初日から一気に5連勝。ただし、6日目に惜しくも東白龍に押し倒されて黒星を喫してからは苦戦し、12日目までに7勝5敗と勝ち越しが足踏み状態となっている。

関取30場所目で年寄株資格を取得

ファンは固唾をのんで勝ち星を願っているが、そんな炎鵬を違った視点で見つめている人たちがいる。炎鵬は今場所、十両に昇進したことでちょうど関取30場所を数え、引退後、年寄株を取得して親方になれる資格を取得したからだ。

一方で所属する伊勢ケ浜部屋は師匠の暴行トラブルがいまだに収まっていない。そのため、引退後の身の振り方にも注目が集まっているという。

旧宮城野部屋の生き残りとして「部屋再興」の声も

「炎鵬は、2年前に伊勢ケ浜部屋に吸収された旧宮城野部屋の生き残り。いまだに元宮城野親方(元横綱白鵬)を慕っており、思いを同じくする関係者たちが、力士生活に一区切りついたら炎鵬を担いで宮城野部屋再興を、と密かに蠢き出しているんです。こちらの面でも炎鵬から目が離せません」(相撲ライター)

炎鵬には土俵外でも熱い視線が注がれているのである。

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