成田闘争から半世紀 滑走路延伸で再燃する「土地収用」という禁断の切り札

成田空港

日本の空の玄関口・成田空港(千葉県)の滑走路新設・延伸の用地取得の遅れに、強制的な手法である土地収用制度の活用が検討され、地元からは「早期完成にはやむを得ない」と理解を示す声が上がっている。

成田空港の滑走路新設や延伸は「国際ハブ空港」として日本の経済発展につなげる国家プロジェクト。既存のB滑走路(2500メートル)を1000メートル延伸し、C滑走路(3500メートル)を新設する計画だ。昨年5月に着工式が行われたが、用地確保が難航しているのだ。

900人が所有する"一坪共有地"の今

「いわゆる成田闘争は空港建設用地の買収と土地収用の繰り返しだった。空港建設反対派の団結小屋の一つで、現在ペンションの敷地は“一坪共有地”。全国に約900人が所有権を持っています」(フリーライター)

死傷者も出た昭和の激闘「成田闘争」

成田空港開港をめぐり、1960年代に反対派の活動家と機動隊が激しく衝突した成田闘争。双方に多数の死傷者を出すほどエスカレートし、政府は闘争の沈静化を図るため、成田新法を開港年の'78年に施行した。

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団結小屋が「木の根ペンション」に変わった訳

「反対派は法の適用を避けるために名称を団結小屋から『木の根ペンション』に変更したんです。施設名は立地の住所が成田市木の根から。'89年に改修され、現在は基本的に営業していません」(地元関係者)

成田国際空港によると、木の根ペンションが空港内にあっても、飛行機の離発着に支障が出ない施設配置にしてあるので、安全性には問題はないという。

土地収用法の適用も視野に、反対派も軟化

「滑走路新設・延伸となれば話は別。地権者や住民らの市民団体、成田市の経済関係者でつくる協議会は、成田空港に土地収用法の適用も視野に入れての早期完成を目指すよう要望した。反対派だった地権者の一部も理解を示していると聞いています」(全国紙記者)

成田空港新設・延伸工事は無事“発着”できるのか。

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