米VSイラン「停戦不発」でガソリン200円超も現実に 食品2800品目値上げ・電気代も夏から急騰の家計直撃

ガソリンだけじゃない――食品・電気・宅配まで「値上げの連鎖」

痛みはガソリン代だけにとどまらない。

「原油は燃料であると同時に、プラスチックや合成繊維など無数の工業製品の原材料でもある。コストが上がれば、その波は社会全体に広がっていく。帝国データバンクの調査によれば、2026年4月だけですでに約2800品目の食品が値上げされる見通しだ。これは中東情勢が緊迫化する前のコストを反映した数字に過ぎず、海峡封鎖による原油高がさらに物流費や容器原料費を押し上げれば、「二次値上げ」の波が来ることは避けられない」(全国紙社会部記者)

また、電気代も例外ではない。電気事業連合会の森望会長は「今の燃料コストが反映されるのは夏前ぐらいだ」との見通しを示した。つまり、家計への“打撃”はこれからが本番。レジで首をかしげる機会は、この夏にかけてさらに増えそうだ。

高市首相は動いたが、封鎖は止められなかった

日本政府も手をこまねいていたわけではない。高市総理大臣は8日、イランのペゼシュキアン大統領と電話会談を行い、ホルムズ海峡について日本関係船舶を含む全ての国の船舶の安全な航行確保を直接求めた。

だが、その外交努力は実らずわずか4日後に停戦協議は決裂し、ホルムズ海峡の封鎖は現実のものとなった。

今後の先行きについて、ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「すぐに恒久的な停戦合意に至るのは難しく、協議が続く間は原油価格は90〜100ドル台で一進一退ではないか」と予測する。今年初めの60ドル弱には戻らず、年内は70ドル台にとどまると示唆しているのだ。

遠い海峡で続く緊張が、私たちの食卓やガソリンスタンドに「見えない戦費」として上乗せされ続ける日々は、当分終わりそうにない。

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