もつ焼きの常識が変わる!? 大森の老舗『とん兵衛』で味わう名物“すやき”の衝撃

創業は昭和31年で70年近い歴史を誇る

東京23区の南端、大田区にある大森駅は、高級住宅街と繁華街を併せ持つ。

東側の改札を出れば雰囲気のいい飲み屋もあるので、飲兵衛にとって穴場である。

「国産の炭が高くて」と店主。宮崎の日向備長炭を使っている。

『とん兵衛』はこの街でも有数の老舗。年季の入ったのれんに赤ちょうちんとすりガラスで、外から店内が見えないから、酒場に不慣れな人だったらおじけづくだろう。
店に入ると、左手の焼き台にコワモテの店主。

串は1本230円で値段以上のボリューム。珍しい部位が入荷することもある。

串焼きに集中している店主は常に無口で、接客は若い男性が担当するようだ。

看板メニューの「すやき」は一番人気のカシラ(豚の頭の肉)を串5本分使っている。焼き上がったら串から外して皿に盛り付け、ショウガと甘めのしょうゆをかける。

すやき(1,150円)。大きめにカットされた肉は食感がプリプリ。炭火焼きならではの香りがダイレクトに味わえる。ビール大瓶は800円。

いたってシンプルな味付けだが、これがうまい。もつ焼きの常識が変わるくらいうまい。
近くの芝浦から仕入れた新鮮な内臓を使った、もつ煮(550円)。みそをベースにショウガ、ニンニク、ゴボウと隠し味が決め手。

焼き物の注文は3本から。まとめて焼くので肉から出た脂が煙となって肉全体を包み、さらに香り高く仕上がる。うまい店にはこういった味の秘密があるのだ。

ガツ刺(650円)も新鮮そのもの。

今の店主が3代目で、最近は4代目も手伝いに入る。この一皿を守り続けてほしいと勝手ながら思うばかりだ。


もつ焼とん兵衛

東京都大田区大森北1-9-4
03ー3761ー2478
営業時間:17時~21時30分
休み:日曜日

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2025年10月16日号より
※情報は取材当時のものです

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