崖っぷち天心、伝説超えの“覚醒”なるか!? WBC世界バンタム級挑戦者決定戦でエストラーダと激突

WBC世界バンタム級挑戦者決定戦

4月11日、東京・両国国技館。日本の格闘技界、そして世界のボクシング界が固唾をのんで見守る一戦が幕を開ける。WBC世界バンタム級2位・那須川天心(27)が、同級1位のレジェンド、ファン・フランシスコ・エストラーダ(35)との「挑戦者決定戦」に挑む。

かつて“神童”と呼ばれた男が、プロボクシング転向後、初めて突きつけられた「敗北」という現実。その傷跡を抱えながら、那須川は今、かつてない飢えを剥き出しにしている。

海外メディアも驚愕「あまりにも無謀な賭け」

この一戦が決まった際、国内外のボクシングメディアの間では驚きと懸念の声が上がった。敗戦直後の復帰戦で、ロマゴン(ローマン・ゴンサレス)を破った元2階級制覇王者を選ぶという決断は、あまりにも異例だ。

米メディアからも「無謀な賭け」「正気の沙汰か」との声が出るほど、このマッチメークは「高い壁」として設定された。

だが、那須川を突き動かしているのは、昨年11月の井上拓真戦で味わった屈辱だ。自身のSNSでは、その苦悩を隠すことなく吐露している。

「ここまで悔しくて、ここまで楽しくない日々を今までに感じたことがありません」
「自分を探り、『なめんじゃねーよ』って怒りの感情も芽生えてきた」

これまで排除してきた“怒り”という感情を自分自身に向け、「お前、こんなもんじゃねーだろ」と追い込み続けてきた。「やるしかねえ、やりきるしかねえ」。自身の過ごし方が間違っていないことを証明する準備は整っている。

父、そして恩師への“原点回帰”――新兵器「10センチの爆弾」

今回の再起戦に向けて、那須川が選んだのは意外な道だった。週1回、古巣のキックボクシング「TEPPEN GYM」で父・弘幸氏の指導を仰ぎ、さらに15歳でボクシングを教わった恩師・葛西裕一氏(GLOVES会長)のもとへも通い詰めた。

「なくしかけていたものを呼び覚ましてもらう作業」――。その過程で手に入れたのが、本人をして「必殺技・10センチの爆弾」と言わしめる新兵器だ。視察した葛西会長も不敵な笑みを浮かべる。

「(エストラーダは)おそらくビックリすると思う。今回の戦い方、格好、形とか、今までとはすごく違う」

スピードで翻弄するこれまでのスタイルから、至近距離で爆発させる重い一撃へ。神童は、本来の自分を知る者たちの手によって「真のボクサー」へと変身を遂げようとしている。

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