【特集】村上・岡本去りし2026年…NPB「最強ホームランバッター」の座は誰の手に?【本塁打王伝説2】

最後の守護者、中村剛也の「美学」

そして2026年現在、NPBに残された「最後の本塁打職人」がいる。

埼玉西武ライオンズ、中村剛也。42歳。通算481本塁打(2025年終了時点)。節目の500本まで、あと19本。

近年の中村は怪我との戦いが多く、2025年はわずか3本塁打に終わった。しかし、彼が打席に立つだけで、スタジアムの空気は一変する。

「ホームランを打つこと以外、あまり興味がない」

かつてそううそぶいた男は、誰よりも高く、誰よりも滞空時間の長い打球を打ち上げる。

中村のホームランは、バレンティンのような弾丸でも、村上のような豪快な一撃でもない。天高く舞い上がり、重力から解き放たれたような「美しい放物線」だ。

もし「最強」の意味を、「最も美しいホームランを打つ技術」と定義するならば、歴代の誰も中村剛也には敵わないだろう。42歳にして現役続行を選んだ男が、2026年シーズンに放つであろう19本、いやそれ以上のアーチ。それは、NPBの歴史を揺るがすホームランとなるはずだ。

2026年、新たな「最強」を巡る戦い

村上と岡本が去った2026年のNPBは、まさに「戦国時代」だ。空位となった最強のホームランバッターの座を巡り、新星たちが牙を剥いている。

その筆頭候補は、ソフトバンクの山川穂高だろう。不祥事からの復帰、そして移籍を経て、彼は再び「本塁打王」の定位置へと戻ってきた。どっしりとした構えから繰り出される豪快なスイングは、かつての門田博光や中村剛也の系譜を継ぐ「パ・リーグの伝統」を感じさせる。

そして、セ・リーグでは阪神の佐藤輝明が覚醒の時を迎えている。2025年、彼はキャリアハイの成績を残し、課題だった確実性を克服しつつある。浜風を切り裂き、ライトスタンドへ突き刺す打球の角度は、まさに天性。村上メジャー移籍後のセ・リーグで、彼が「新時代の顔」となる可能性は極めて高い。

さらに、DeNAの牧秀悟。この選手は本塁打数だけでなく、打点、打率でも高いレベルを維持する「現代版・野村克也」とも言える存在だ。右方向への押し込みの強さは、岡本和真の穴を埋めるに十分な迫力を持っている。