とろ旨“どて焼き”に舌鼓! 中津『いこい』で味わう大阪ソウルフード【ホの字酒場第75回】

昭和の空気を残す店内。奥には4人掛けテーブルが6卓ほどあり、意外と広い。

大阪梅田駅から阪急電車で一つ先の中津駅。改札の目の前にある『いこい』は創業約75年、昭和を色濃く残した渋い居酒屋だ。

小さな間口だが中は意外と広い。テーブル席ではサラリーマンが赤ら顔で話に花を咲かせ、入口に近いカウンター席は一人客の指定席。酒の入った客はみな陽気で、テンポのいい掛け合いは大阪ならでは。

かむほどに味が出るセセリの炒め(600円)。

名物のどて焼きは関西でおなじみのソウルフードだ。みそで煮込んだ牛すじのクニュッとした食感が特徴で、甘辛く濃厚な味わいが酒によく合う。

どて焼き(3本450円)。牛すじ肉をみそやみりんで長時間煮込んだ大阪の名物料理。どろっとしたみそがクセになるうまさである。

もう一つの名物がだし巻き。だしの味が濃厚だから、そのまま食べてもうまいし、中には具材がたっぷり入っていて腹持ちもいい。

巨大なだし巻(500円)は茶わん蒸しのようにふっくらしていて、中にはエノキやネギが入っている。

串カツにすじ焼き。気取ったメニューは一つもない。だが、どれを食べても懐かしく、うまい。

サクサクに仕上がった串カツ(3本450円)。豚バラとタマネギの甘さがたまらない。

店のどこかから常に笑い声が上がる。この店では難しい顔をして飲んでいる者はいない。

3代目店主は「後継ぎもいないし、耐震工事があるから、どれくらいできるか」と寂しそうに笑う。

いつまでも昭和世代の意地を見せてもらいたい。そう思っている客は多いことだろう。

大衆酒場『いこい』

大阪府大阪市北区中津3-1-30
06-6371-7820
営業時間:17時~23時
休み:日曜・祝日

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2025年9月25日号より
※情報は取材当時のものです

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