AIでは再現できない猪木イズム――蝶野正洋が語る“昭和レスラー”の狂気

蝶野正洋(C)週刊実話Web

アントニオ猪木は究極のアナログ

アントニオ猪木さんをAI技術と最新のロボット工学で蘇らせるという「アンドロイド猪木プロジェクト」が発表されていたね。

このプロジェクトに参画している石黒浩さんは、アンドロイド研究の第一人者。以前、イベントで一緒になったことがあって、興味深いお話をいろいろ伺ったことがある。

石黒さんはAIやアンドロイドの社会的意義まで考えていると思うんだけど、周りで煽っている人たちの中には、単に猪木さんの名前を使ってビジネスをしているだけのように見える人もいる。「アントニオ猪木」の名前を出すなら、もっとプロレス界全体にも還元されるような名目があった方がいいんじゃないかな。

そもそも、アントニオ猪木は究極のアナログというか、AIの対局にあるような存在。“猪木イズム”というのは、究極の「昭和」だからね。基本は根性論で理由や理屈が通用しないし、常に想定外の行動を選ぶ。

そんな猪木さんが作った新日本プロレスで育った人間も、みんな常軌を逸している。リングの外でも勝負にこだわって、メシを喰ったり酒を飲んだりするときでも、絶対に負けちゃいけないと教え込まれている。

それに猪木さんから「行け」と言われたら、絶対に行く。それが当たり前だったからね。

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