【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#6 前編:自らを腐肉と化す“朽ち果てる女”、コリー・ディーアン・カウリーの衝撃

イラスト/沙さ綺ゆがみ

*【閲覧注意】この記事はショッキングかつ不快な画像を含みます。

■「死の不可避性」を体現する唯一無二の表現者

コリー・ディーアン・カウリーは、Instagramで6万人以上のフォロワーを持つ特殊メイクアーティストであり、女優、監督、そして強い信念の人である。日本ではまだ認知度が低いものの、彼女自身が被写体となった特殊メイクのポートレートは、彼女にしか作れない個性とパワフルなパフォーマンスが加わり、唯一無二の世界観を体現してゆく。

コリー・ディーアン・カウリー

「私自身と作品を一言で言うなら、“死の不可避性”。避けられない死とは、それが私の存在の本質だから…」。コリーはそう語る。死という存在は理想的な意味での美しさではない。しかし、その嫌悪感の中にこそ人間本来の美しさが生まれるのだと、彼女は自らの肉体を通じて証明してゆくのである。

■人生の転機となった『ヘルレイザー』

コリーの作品群

コリーの家庭ではホラーが定番であり、彼女にとってホラーを愛せなかった時期はないという。学生時代から恐怖をテーマにした短編小説を書き始め、やがて映画『ヘルレイザー』に出会ったことで、人生をホラー中心に据える決心をする。

当初はモデルとして活動していたが、次第に特殊効果の仕事に魅了されてゆく。特殊効果を通じて演技への情熱も再燃し、リアルタイムでのキャラクター創造に目を向けるようになる。彼女の衝撃的なアートは、アイディア出しから始まるが、その後は即興で作られてゆくのが特徴である。

■悪名高きゴア映画『Trypophobic Possession』の真実

映画『Trypophobic Possession』

過激かつ不快な描写で知られるスペインのゴア映画『Trypophobic Possession(集合体恐怖の憑依)』。かつては別の人物が監督としてクレジットされていたが、実質的な監督はコリーである。

脚本のミケル・バレルディとの共同作業で進められた本作では、彼女は撮影、演出、特殊メイク、そして演技のすべてを担当した。生きた虫や自らの血を投入し、過激な構想を表現し切ったこの作品は、彼女にとって大きな扉を開き、「朽ち果てる女」というニックネームを授けることとなる。

コリー・ディーアン・カウリー公式インスタグラム
https://www.instagram.com/corydeancowley
コリー・ディーアン・カウリー関連映画リスト(imdb)
https://imdb.com/name/nm14182842/

文・イラスト/沙さ綺ゆがみ

【深淵ホラー劇場:映画界が封印した『G級の神々』】#6 後編へ続く

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