イラン戦争でホルムズ海峡封鎖 エネルギー自給率13%の日本に迫る「原油危機」

ステルス・ゲリラ戦 米国1国では防御不可能な"新型戦争"の全貌

トランプ米大統領はホルムズ海域を通過する船舶は米国が護るとし、加えて、多くのイラン機雷艇を撃沈したと喧伝するが、イランの攻撃は収まっていない。

「イランの攻撃は4000メートル級の山々や砂漠に覆われた地下深い要塞で組み立てられたドローンやミサイルを投入する、いわばステルス・ゲリラ戦。とても米国1国での防御は不可能。G7で手分けする防御情報もあるが、今のところどうなるか不透明です」(同)

イランは自国産の原油タンカーを満タンにして相手国などに送り出し、経済活動は衰えをみせていない。3月に入っても、ほぼ通常通り約10日間で約1650万バレルの原油を輸出したと推計されている。

「この流れで行けば、戦争中でもイラン経済は安定を保つことができる。米国関係国が音を上げるまで、ホルムズ海峡を封鎖し続ける戦略でしょう」(同)

フォーブスが警鐘「原油混乱の最大敗者は日本」 エネルギー自給率13%の絶望

その米国関係国の中で、最も被害を受けるのは「日本だ」と指摘しているのは、エネルギー問題の第一人者、スコット・モンゴメリー氏。同氏は米国経済誌『フォーブス』(3月4日付配信)の最新寄稿で、原油混乱による世界の最大敗者は「中東に原油の8割以上を依存する日本になる」と警鐘を鳴らし、高市政権を震撼させているのだ。

確かに、米国国内でもホルムズ海峡封鎖でガソリン価格は高騰している。しかし、米国は世界屈指の産油国で、エネルギー自給率は約106%。日本は約13%でしかないのだ。

「254日分の石油備蓄」は本当に安全か 専門家が懸念する"放出後の空白"
「高市早苗首相は日本の石油備蓄は『254日分ある』と国会で答弁している。そして、高市首相は3月16日から世界に先駆けて国の石油備蓄放出を宣言した。これは国際エネルギー機関(IEA)が石油備蓄を4億バレル協調放出することで一致したことを受けてのもの。日本が先陣を切った形だが、専門家の間では『過去、ウクライナ侵攻や東日本大震災時に国家備蓄を放出しているが、供給が止まることがない中での放出だった』『今回は放出しても、不足を補う形がなく、海峡封鎖が長期化したらどうなるのか』という懸念の声が強い」(政治担当記者)

トランプ氏は、これまで5000以上の標的を攻撃し、イランのミサイル発射装置の90%以上、無人機(ドローン)発射装置の80%以上を破壊したとし、「イランのあらゆる武力を完全に壊滅させた」と主張している。

しかし、イランは終戦の条件として「不可侵条約の締結」と「賠償金の支払い」を掲げるなど強気な姿勢は崩していない。