ヤンキーとは違う“いい子ちゃんじゃない女の子”に女子高生が熱狂! 1990年代に飯島愛が支持された理由

『飯島愛のいた時代』太田出版 1,900円(本体価格)

『飯島愛のいた時代』著者:安田理央
やすだ・りお:1967年埼玉県生まれ。ライター、アダルトメディア研究家。美学校考現学研究室卒。主にアダルト産業をテーマに執筆。特にエロとデジタルメディアの関わりや、アダルトメディアの歴史の研究をライフワークとしている。

不良でも優等生でもない“新しい女の子像”

──1990年代を検証するにあたり、飯島愛さんを取り上げたのはなぜですか?
安田 AV女優、セクシー系タレント、コギャルのカリスマ、人気芸能人、ベストセラー作家と、マスコミの飯島さんの扱い方はどんどん変わっていきました。彼女の報道のされ方の変化を追っていくと、時代背景の移り変わりが見えてくるのではないかと考えたのです。この本を書くにあたって、週刊誌を中心とした当時の雑誌数百冊をチェックして、それを検証しました。見えてきたのは、飯島さんというよりも、社会は女性をどう扱ってきたかという状況の変化でしたね。従来の一般的な女性像が、大きく変化したのが90年代であったということが確認できました。

──ブルセラブームの中で、飯島さんがコギャルから圧倒的な支持を集めたのはなぜだと思いますか?
安田 「いい子ちゃんではない女の子」の新しいスタイルを飯島さんに見たのではないでしょうか。それまでの「ヤンキー」「不良」とは違うファッションや姿勢は、新鮮だったと思います。またセクシーを売り物にしていた女性が、若い女性に支持されたという点でも、飯島さんは当時としてはかなり画期的な存在だったと思います。AV女優時代から彼女のイベントには若い女性ファンが殺到していたそうですからね。

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「どうせ長く芸能界にいられない」飯島愛の独特のスタンス

──一方でタレントとして、文化人とも堂々と渡り合っていましたね。
安田 本人も何度となく語っていましたが、「自分は何もできないので。どうせ長く芸能界にいられるわけがない」という気持ちが根底にあり、ことさら処世術的な態度を取らなかったのではないかと思います。そして、皮肉にもそれがかえって面白がられ、受け入れられた理由だったのでしょう。

──今のマツコ・デラックスのような存在とも言えそうですね。今生きていたら、どんな活動をしていたと思いますか?
安田 飯島さんが生きているとすれば今53歳。「ちゃんとしてない」50代としての立場でいろいろ語ってくれていたら面白いだろうな、と思います。90年代当時、彼女の持っていた感覚では「30代はもう若くはない」と思っていたでしょう。しかし、今や30代どころか40代のアイドルやグラビアアイドルも珍しくなくなり、若さの基準も大きく変化しました。もし彼女の意識もアップデートされていったとすれば、新しい50代のスタイルを提示してくれたかもしれませんね。
(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」3月26日号より