【現場ルポ】実働1時間で4時間分の賃金を要求。スキマバイトに巣食う「シニア給料泥棒」の呆れた言い分

「さぼってるんじゃない。仕事を待ってるんだ」

喫煙所にいた70代くらいの男性に「今、休憩中ですか?」と声をかけたところ「そういうわけじゃないけど、やることがないんだよ」という答えが返って来た。

「軽作業って聞いて来たんだけど、年寄りにとっては重労働ばっかりなんだよ。ここには10代とか20代のやつも来るけど、そんな若い連中と同じことできるわけないだろ? 『年寄りにもできる仕事を回せ』って言ってるのに『そんなものはない』って言われてさ。だからって『はい、そうですか』って帰れないだろ? こっちは生活かかってるんだから、意地でも契約した時間はここにいるよ。でないと金が貰えない」

「さぼってるように見えますが?」(筆者)

「さぼってるんじゃないよ。工場の人間が仕事を持ってくるのを待ってるんだよ(苦笑)」

しばらくして、この男性は段ボールつぶしの作業を任されたようだったが、他のバイトの三分の一くらいしかさばけず、さらに15分置きくらいに喫煙所に向かっていた。そして契約の4時間が終わると、さっさと退勤。実働は1時間ほどだったようだ。

これでは工場長が頭を抱えるのも無理はない。派遣会社にこの実状を報告して説明を求めたのだが「現場のことは雇用側の采配に任せています」ということだった。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。