綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件 加害少年たちは今どうしているのか――記者が追った衝撃のその後

『償い 綾瀬女子高校生 コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』文藝春秋 1,800円(本体価格)

『償い 綾瀬女子高校生 コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』著者:山﨑裕侍
やまざき・ゆうじ:1971年生まれ。北海道千歳市出身。’94年に日本大学文理学部を卒業後、制作会社「パオネットワーク」に入社。テレビ朝日系『ニュースステーション』『報道ステーション』でディレクターを務める。2006年、北海道放送に中途入社。’22年4月から報道部デスク。

2024年に死亡していた加害者

──この本を書くきっかけはなんだったのですか?
山﨑 テレビ朝日系『ニュースステーション』のディレクターをしていた2000年、少年の凶悪事件が相次ぎ、少年法を改正して厳罰化すべきという議論が起きました。少年犯罪や法改正を考えるとき、更生や償いの現実を知るべきだと思い、「史上最悪な少年事件」の加害者のその後を知りたいと考えました。結局、事件に関わった6人の加害者のうち、主犯格A以外の加害者本人か親に取材することができました。そして2024年、準主犯格Bが死んでいたことが分かったのです。加害者は償いを果たしたのか、彼らの生き方から社会が学ぶべきことはあるのではないか、その答えを見つけたいと思ったのが本を書くきっかけです。

──少年とはどのように接触したのですか?
山﨑 マスメディアとはいえ刑期を終えて一市民として暮らす彼らの生活を壊すことがあってはいけません。本人だけに接触を図り、手紙を渡し、インタビューにこぎつけました。少年院送致になった2人は反省を深め、更生に向けて模索していましたが、実刑判決が下った加害者からは償いの意思を感じることができず、引きこもり状態の者もいました。

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特殊詐欺で逮捕され再下獄

──出所後、再犯した少年もいますね。
山﨑 準主犯格Bと自宅が監禁場所となったCは再犯して有罪判決を受けています。主犯格Aも特殊詐欺で逮捕されたという報道があります。なかでもBは服役していたときから拘禁反応による妄想が現れ、適切な治療を受けずに社会に出てきました。出所後に暴力団組員になるのですが、そのきっかけをつくったのは母親でした。母親からは、息子が起こした事件の被害者遺族への賠償金として積み立てていた貯金をすべて使い切ってしまったことなどについて、深い後悔や反省の気持ちはほとんど感じられませんでした。

──少年犯罪の「更生」について、どのように考えていますか?
山﨑 去年6月から拘禁刑が導入されました。具体的には再犯防止や改善更生に向けたプログラムが受刑者に用意され、「立ち直り」に取り組みます。しかしそれだけでは更生につながりません。出所後に彼らを受け入れるよう社会も変わる必要があります。再犯防止に必要なのは「居場所」「住む場所」「働く場所」です。そのうえで被害者に対して謝罪や賠償金の支払いなど償いをどうすれば果たせるのか、答えのない問いに向き合い続けることが何よりも大切だと思います。

(聞き手/程原ケン)

「週刊実話」3月19日号より