「命に関わる可能性もあった」薬剤師が絶句した、中国製デタラメ増毛剤の“恐ろしき副作用”

不整脈から性機能が減退

ところが、1カ月ほどたった頃から村井さんの身体に異変が生じ始めた。

「動悸や息切れが頻繁に起こるようになりました。ちょうど仕事が繁忙期だったので疲れかな? くらいに思っていたんですが、性欲はあるのに性機能が減退してしまったんです。そんなことが3カ月ほど続き、妻に勧められて内科を受診しました」

診察を受けた結果、村井さんは「不整脈」と診断される。

「健康には自信があったし、不整脈なんて初めて言われたので驚きました。そこで薬剤師さんに増毛剤の話をしたら『それが怪しいです』と言われました。日本ではあまり知られてなかったようですが、中国では増毛剤に使われている薬草の一部が引き起こす健康被害が問題になっていたそうです。
念のため、と思って薬剤師さんに原材料などが明記された説明書を見せ、当該薬草が使われていないことを確認してもらったんですが、『ここに書いてあることはアテになりません』と言われてしまいました」

村井さんの場合は使用期間が1カ月程度と短かったこともあって不整脈程度で済んでいたが、長期にわたって使用を続けると心筋梗塞などを引き起こす可能性もあったという。

「命に関わることにならなかったのは良かったと思いましたが、後遺症は今でも残っています」

その「後遺症」とはEDだそう。

「投薬などの治療法はあるみたいですが、薬の類は怖くて手を出す気にならないです」

2年前「うじうじと髪のことで悩むのはやめよう!」と思い切って丸坊主にしたという村井さん。

「頭の形が良かったみたいで周りからはカッコいい! と言われるようになりました。こんなことなら、最初から坊主にしちゃえば良かったです。見栄を張って変な薬に手を出したために大切なものを失くしてしまいました」

まさに、後悔先立たず…。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。