「汚らわしい」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


浮気がバレてこの言葉が飛び交うことも…

正解は「けがらわしい」です。

【汚らわしいの語源と漢字の由来】

「汚らわしい(けがらわしい)」は、汚れていて不快である、醜悪で不潔である、あるいは恥ずべきことであるといった意味を持ちます。

漢字の「汚」には、水が滞って濁る様子が反映されています。「さんずい」は水に関することを、「于(う)」は曲がった形や、一箇所にとどまることを意味します。

つまり、「水が流れずに一箇所にとどまり、濁って汚れる」様子から、清潔さが失われること、さらには名誉や純粋さが損なわれることを指すようになりました。

語源としては、神聖なものが生命力を失うことを意味する「気枯(けが)れ」に、形容詞化する接尾語「わしい」が付いたものという説が有力です。

【魂の清濁を分かつ! 汚らわしい(けがらわしい)のトリビア】

●「穢れ(けがれ)」の思想
古来より日本には「常世(とこよ)」と「現世(うつしよ)」の間に「穢れ」という概念がありました。死や病、罪などを「汚らわしい」ものとして遠ざけ、清めを重んじる神道の精神性は現代の衛生観念の根底にも流れています。

●「汚い(きたない)」との違い
物理的に泥がついたり部屋が散らかったりしている場合は「汚い」を使いますが、不正な手段で利益を得たり、人の心を裏切ったりするような道徳的な不潔感には「汚らわしい」が使われます。

●「汚」の字の右側「于」の意味
この部分は「まがりへら」の象形とも言われ、障害物があって進めない様子を表しています。流れが止まれば水は腐るという、自然界の摂理がこの一字に込められています。

●「汚名返上(おめいへんじょう)」
一度「汚らわしい」とされた評価を、新たな成果によって取り戻すことを言います。よく「汚名挽回」と誤用されますが、挽回するのは「名誉」であり、汚名は「返上」するものです。

●心理的な汚染
一度でも「汚らわしい」と感じた対象に対しては、物理的に清浄されていても、心理的な嫌悪感が残り続ける現象があります。これを心理学では「認知的汚染」と呼ぶことがあります。