「労る」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


マッサージも労る行為

正解は「いたわる」です。

【労るの語源と漢字の由来】

「労る(いたわる)」は、困っている人や病人などに同情の気持ちをもって親切にしたり、養生したりすることを意味します。

漢字の「労る」には、夜通し働く「努力」の意味が込められています。「労」の字は上部に「火」が二つ並び、かがり火を象徴しており、下部の「力」と合わせて「明かりをつけて夜遅くまで力を尽くして働く」様子を表しているのです。

このように一生懸命に働く人を「ねぎらう」気持ちや、それによって疲れた体を「大事にする」という意味から、「労る」という読みが当てられました。

語源としては、苦痛や病気を意味する「いた(痛)」という言葉に、状態を表す「わる」が付いたものという説や、心が痛むほど相手を思う様子に由来するという説があります。

【百花の王! 労る(いたわる)のトリビア】

●「ねぎらう」との違い
どちらも相手の苦労に報いる言葉ですが、「ねぎらう」は主に対等か目下の人に対して「お疲れ様」と声をかけるニュアンスが強いのに対し、「労る」は相手の弱さや疲れを思いやり、優しくケアする慈愛のニュアンスが含まれます。

●「ご自愛ください」との関係
手紙の結びで使われる「ご自愛ください」は、まさに「自分の体を労ってください」という意味です。相手の健康を気遣う、日本人の奥ゆかしい「労り」の文化が凝縮されています。

●「労」の旧字体はさらに熱い
旧字体では「勞」と書き、火が並んでいました。それほどまでに熱心に、火を絶やさず力を尽くす姿が、この漢字の本来の姿です。

●「労る」と「病む」の古語的繋がり
古文の世界では「いたわる」には「病気になる」という意味もありました。体が痛(いた)む状態になることが、現代の「(体を)大事にする」という意味へと繋がっていったのです。

●「労り」は幸福度を高める
心理学の研究では、他者を労わる行動(親切心)をとることで、自分自身の脳内でも多幸感をもたらす物質が分泌され、ストレスが軽減されることが分かっています。

●「身体を労る」食べ物
漢方の世界では、胃腸を労わる食材として「山芋(山薬)」や「お粥」が推奨されます。消化に負担をかけず、内側から優しく癒やすことが「労り」の基本です。

●「野生動物」の労り合い
ゾウやイルカなどの知能の高い動物は、仲間の怪我や病気を察して寄り添い、移動を助けるといった「労り」に似た行動をとることが確認されています。