【ミラノ五輪】好調・高梨沙羅をまたも待ち受けるスキージャンプ「魔のスーツ規定」の不都合な真実

金以上に欲しているのは自分なりの「答え」か

さらに、判定を下す側の“不都合な真実”も根深い。FISを良く知る関係者は、匿名を条件にこう明かした。

「実はトップレベルの大会であっても、現場の審判員の中に『ジャンプ競技の経験が全くない』者が含まれているケースがある。ルールを文言通りに解釈するだけの素人が、人生を懸けたジャンプを裁く。この矛盾に、高梨だけでなく海外の有力選手からも怒りの声が上がっているのは公然の事実です」

こうした逆風の中、高梨は4年前から練習拠点をスキージャンプの聖地・スロベニアに移した。言葉も通じない地で、ただひたすらに「誰にも文句を言わせないジャンプ」と「自分の体に嘘をつかないスーツ」を追求してきた。

「スロベニアでの孤独な修行を経て、彼女の精神力は以前とは比較にならないほど強靭になった。男女を通じて歴代最多のW杯63勝という記録を持つ彼女が、最後に求めているのは金メダル獲得以上に、4年間の葛藤に対する自分なりの『答え』のようです」(前出・日本スポーツ協会担当記者)

不条理な「魔のスーツ」に翻弄され続けた4年間。ミラノの空で高梨が観客を沸かせる瞬間を、日本中が待ち望んでいるのは疑いようのない事実だろう。