高市首相を襲う「衆院戦敗北」の短命政権

高市早苗(C)週刊実話Web
高市早苗首相が1月23日召集の通常国会冒頭で衆院解散を断行する。総選挙投開票日は最短の2月8日だ。年明け早々、吹き荒れた解散風に与野党は、一挙に戦闘モードに突入。存続を懸けた“仁義なき戦い”の号砲は鳴った!

まずは政治アナリストが、今回の衆院選をこう分析する。

「最大の焦点は解散を仕掛けた高市首相率いる自民党が圧勝するかどうかだ。それと同時に、解散で党消滅の危機感から直前に異例の新党『中道改革連合』を立ち上げた立憲民主と公明の巻き返し。場合によっては、大勝を確信して解散という伝家の宝刀を抜いた高市首相が負けるケースも出てきた。何せ、高市政権の後ろ盾であるキングメーカーの麻生太郎副総裁や選挙の総指揮を司る鈴木俊一幹事長にも事前相談なしのステルス奇襲作戦でしたから。高市首相主導の解散にどう影響を及ぼすか見ものです」

そもそも、1月の通常国会冒頭での解散によって、2026年度予算が3月末までに成立せず、年度またぎの暫定予算を組む必要性に迫られるデメリットがある。近年では、'13年と'15年の安倍政権時に暫定予算を編成している。いずれも、前年末に衆院解散・総選挙を実施した影響だ。

「常識的に冒頭解散は避けたいところだが、高市氏はあえて打って出た。その理由の一つには、関係が悪化した中国と、トランプ米大統領に対する外交戦略、心理戦があります」(高市氏側近)

昨年11月、高市首相は台湾有事を巡る国会答弁で「存立危機事態」発言。これに中国が激しく反発しているのだ。中国は「発言の撤回」を求め、今年に入ってからは中国が市場をほぼ独占するレアアース(希土類)の日本への輸出規制という動きにまでエスカレートさせている。

「こうした異常なまでの中国の日本叩きに、トランプ大統領は沈黙している。昨年10月に韓国で行われた米中首脳会談で、中国がレアアース輸出規制を1年間凍結、アメリカ産大豆の購入再開など譲歩したためだ。タカ派の高市氏にすれば、とても『存立危機事態』の発言撤回は飲めない。トランプ大統領から『不当な日本圧力を止めろ』『日本に何かあれば、日米安保に基づき万難を排し日本を守る』という援護射撃が欲しいのが本音。日本維新の会との連立でやっとこさ政権運営するのではなく、国民の圧倒的支持と自民単独過半数以上の安定政権なら、トランプ大統領からのお墨付きを得やすい…。中国に対する圧力にも通じる。まさに一石二鳥の解散だ」(自民党関係者)

高市氏を強気にさせた“数字”もある。自民党が昨年末と年明けに行った衆院議員の「各党獲得議席予測」調査だ。

「この情勢調査で自民圧勝の予測結果が出た。自民は現在の199議席からプラス61で260議席前後を獲得する。衆院の過半数は233議席だから単独過半数は楽勝。そして、各メディアの世論調査でも高市内閣は70%前後の高支持率が続いている。鬼に金棒だ」(同)

天下分け目の大勝負に出た高市氏の超短期選挙戦。ここにきて「負け戦になる」という見方もささやかれ始めた。なぜか。

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「高市首相は短命政権に終わりかねない」

「私の手元に選挙関連PR関係者が試算した極秘資料がある。それによると、自公連立政権時、公明の候補者がいない小選挙区で自民に流れた公明票試算は前回の'24年総選挙で約6000~2万票で、自民候補が野党候補に競り勝った小選挙区は約30ある。今回の新党結成でこの公明票が新党候補に渡り、加えて新党に期待する無党派層も流れたら40~50の小選挙区で自民候補が負ける可能性が大いにある。自民が単独過半数に届かなければ、麻生氏らに解散を相談しなかった手前、高市首相は短命政権に終わりかねない」(前出・政治アナリスト)

同極秘資料に基づけば、現職大臣や元大臣でも黄信号がつく自民議員がゴロゴロいる。石原慎太郎元都知事を父に持つ石原宏高環境相、黄川田仁志特命担当相、江藤拓元農水相、松野博一元官房長官らだ。

自民と連立政権を組むものの、選挙協力しない維新は先の自民調査で現有34議席から微増の38議席と予測されている。

「維新の吉村洋文代表兼大阪府知事は総選挙に合わせ、3度目の都構想への道筋をつけるため、大阪府知事と大阪市長が辞職し、出直しダブル選挙に臨むことをぶち上げた。これは総選挙で維新の存在が埋もれないようにする話題作りでしょう。しかし、トップダウンの手法に維新内から大ブーイングが出るなど足並みが揃わずバラバラ。維新創設者の橋下徹氏と松井一郎氏もこのタイミングでの大阪ダブル選挙に否定的です」(ベテラン議員秘書)

1月15日、維新はいわゆる「国保逃れ」に関与していた兵庫県議ら6人の除名処分を発表した。

「藤田文武共同代表がポスター代などで秘書の会社に公金を還流させていた問題も未だ燻っています。つまり、大阪ダブル選挙は吉村代表らが維新の議席数減を危惧した裏返しではないか」(在阪報道カメラマン)

最後に総選挙の“対抗馬”に躍り出た新党結成の立憲と公明はどうか。

「過去、共産党の支援で当選してきた立憲候補も多い。公明=創価学会票は期待できるが、学会と犬猿の仲の共産党の票はなくなるはず。その差し引きはまだ読めません」(政治担当記者)

選挙戦に仁義などない。

「週刊実話」2月5・12日号より