郷ひろみ×井上大輔×売野雅勇…奇跡の噛み合わせが生んだ『2億4千万の瞳』という国民的ポップス

イントロからコーラスさせるセンスがすごい

しかしそれでも、この曲はやはり、当時まだ新進気鋭、売野雅勇による歌詞でしょう。

なんと言ってもタイトルがすごい。’84年の日本の人口は1億1952万人(人口動態統計)つまり約1億2千万人。それを「二十四の瞳」の如く2倍にして「2億4千万の瞳」とするセンスがすごい!

さらにはそこから数字だけを抜いてイントロから「オクセンマン! オクセンマン!」とコーラスさせるセンスがさらにすごい!

ていうか、そもそも「億千万の胸騒ぎ」って、どんな胸騒ぎやねん…。

そんな井上大輔と売野雅勇の見事な噛み合わせに思いを馳せながら私は、郷ひろみ最後の紅白を見ていたのでした。

最後に、今の日本の人口はどうなっているのか。

少子化が叫ばれる中、’84年に比べて、さぞかし減っているだろうなと思いきや’25年7月時点で、1億2336万人と、なんとまだ約「1億2千万人」を維持していたのです。

郷ひろみが紅白を勇退してもこの国の中で、「2億4千万の瞳」は、まだまだキラキラっと輝いているのでした。ジャパーン!

「週刊実話」1月29日号より

スージー鈴木/音楽評論家

1966(昭和41)年、大阪府東大阪市出身。『9の音粋』(BAYFM)月曜パーソナリティーを務めるほか、『桑田佳祐論』(新潮新書)、『大人のブルーハーツ』(廣済堂出版)、『沢田研二の音楽を聴く1980―1985』(講談社)など著書多数。