米FBIが11億円の懸賞金を懸けて追う北朝鮮「謎の洗浄屋」

画像はAIで生成したイメージ
1月5日、北朝鮮の金正恩総書記は首都・平壌で建設が進む『海外軍事作戦戦闘偉勲記念館』の建設現場を、娘のジュエ氏や朝鮮労働党幹部らと共に視察した。

「この記念館は、ロシアのウクライナ侵略戦争に派兵され、戦闘で犠牲となった軍人らを悼むための施設です」(北朝鮮ウオッチャー)

近年、北朝鮮は軍の役割や戦闘功績を強調する記念施設の整備を加速させているが、その裏では深刻な財政難が続いている。

「ロシアからの派兵兵士への報酬を当てにしていましたが、プーチン大統領が『実績が乏しい』と難癖をつけ、実際に支払われたのは約束額の2割程度にすぎません。ロシアは帝国時代から“約束を守らない国”として知られていますが、その体質は今も変わっていない。北朝鮮国内では不満と怒りが渦巻いています」(同)

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暗号資産で稼ぐ北の裏金

こうした資金不足を補う手段として、近年急増しているのが暗号資産(仮想通貨)を狙ったサイバー犯罪だ。国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議の履行状況を監視する多国間制裁監視チームは一昨年、北朝鮮のハッカー集団による暗号資産窃取額が大幅に増加していると指摘した。

「盗んだ暗号資産を現金化するには、巧妙なマネーロンダリングが不可欠です。それを担う北朝鮮の“洗浄屋”は数十人いるとされ、その中心人物がシム・ヒョンソプ(42)です。彼は主にアラブ諸国で活動し、現在は中国に潜伏しているとみられています。米連邦捜査局(FBI)は懸賞金を700万ドル(約11億円)に引き上げ、行方を追っています」(国際ジャーナリスト)

シムは2016年に国連、2023年には米国の制裁対象者リストに加えられた。'22年にUAE(アラブ首長国連邦)から追放され、中国・丹東に移動した可能性が高いが、現時点で身柄拘束は極めて困難とされる。

「北朝鮮は大量破壊兵器開発資金の約4割を暗号資産窃取で賄っている、との見方すらあります」(同)

不法に得た資金で周辺諸国を脅かす姿は、もはやならず者国家そのものだ。国際社会は第三国での現金化を防ぐため、金融機関や暗号資産取引所への監視を一段と強化する必要がある。

「週刊実話」1月29日号より