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日ハム・中田翔&巨人・小林誠司…消えない交流戦明けトレード説

(画像)Koldunova Anna / shutterstock

チームの中核選手であればあるほど、一度狂った歯車は元には戻らないのか…。

日本ハムの中田翔内野手と巨人の小林誠司捕手が「居場所」を取り戻すのに必死だ。そのせいだろうか。両選手のトレード放出説が絶えない。

「6月9日、中田が再び一軍登録を抹消されました。これでチーム打率、総本塁打数で12球団ワーストの打線が、さらにパワーダウン。もっとも、今季の中田は昨季とはまるで別人で、極端な打撃不振にあえいでいますが」(ベテラン記者)

一方、小林が一軍に帰ってきたのは、同2日。これまで降格となっていた理由は「打撃力のなさ」。こちらは解消されていないが、昇格の機会を与えられた。

「小林はクローザーのR・デラロサと入れ替えで一軍に昇格しました。しかし、二軍での打率が1割1分5厘なのと、一時的ですが捕手4人態勢となったことで、『見本市に並べるために昇格させたのでは?』なんて声も聞かれました」(同)

この「小林放出論」について、対照的な意見も錯綜している。1つは「時期を見計らっている」というものだ。

「捕手を放出するとなれば、バッテリー間のサインを変更しなければなりません。そのリスクを考えると、動き出すのは交流戦が終了してからではないか」(スポーツ紙記者)

「小林を出さない」とする意見も多く聞かれた。その根拠は、原辰徳監督の性格に起因する。「相手を陥れるようなことはしない」と言うのだが、現在の起用法は微妙である。

阪神を逆転するために小林が必要

「9回の1イニングだけマスクをかぶった試合もありました。救援投手ならぬ救援捕手。菅野智之が復帰登板した6月6日はスタメン起用されましたが」(同)

打力不足のため、スタメンで4打席を与えると、得点能力に影響する。そのため、エースが投げてロースコアになる試合でしか使えないというわけだ。

「小林は菅野、そして近くチームに合流する山口俊投手の2人と、最優秀バッテリー賞に輝いています。山口は先発で使っていくつもり。菅野、山口が大車輪で活躍しないと、阪神を逆転できないという発想です。そのためにも小林は必要」(球界関係者)

また、小林の現状について、こんな指摘もあった。

「攻守交代時に、味方外野手のキャッチボール役を務めたりもしていました」(前出・スポーツ紙記者)

かつて侍ジャパンの正捕手も務めた選手が、やる仕事ではない。〝力量不足〟に苦しむのは中田も同じだ。

「全力疾走していたら、腰のところに手をやって…。担架で運ばれたのは、主砲として恥ずかしくて居たたまれなかったからのようです」(地元メディア)

6月8日の阪神戦、好機で打ち損じた中田は全力で一塁ベースを駆け抜けたものの、1人で起き上がることができなかった。その恥ずかしさは理解できるが、それには〝イライラ〟も入り交じっていたようだ。

「今季は開幕から打撃不振で、打順も変わりました。そのことで首脳陣批判をしたとの情報もあります」(同)

監督、コーチへの批判はご法度だ。しかし、それは「不振によるイライラで、余計なことを口走ってしまった」なんて単純な話ではなさそうだ。

中田自身のメンツのために…

「昨年オフ、球団は栗山英樹監督に続投要請するにあたり、『覚悟』を決めました。エース有原航平のメジャー挑戦により、戦力ダウンは必至。昨季の故障者たちが復帰後に活躍する保証もありません。そのため、栗山監督を守る、敗因を問われる場面になったら、中田は一緒に辞めるくらいの決意を持っていました」(前出・球界関係者)

極め付きは〝転倒事件〟だろう。4月7日の試合中、中田は不振にイラつく気持ちを抑えきれなくなり、ベンチ裏でバットを叩き折った。その勢いで転倒し、右目周辺が腫れ上がり、しばらくは試合後のボクサーのような状態だった。

その4月7日を指して、こんな証言も聞かれた。

「チームは開幕以降、その日の試合前まで本塁打はゼロ。そのチーム第1号を大田泰示に奪われ、自分を制御できなくなったようです」(同)

故障と不振で二軍降格…。かつて打点王に三度輝いた主砲には相応しくない。そういえば、今季は3年契約の最終年でもある。推定年俸3億4000万円は、チームトップの高額年俸だ。

しかし、新契約を結べば、今季の不振も加味される。そう考えると、トレード放出論は首脳陣批判による懲罰というよりも、中田自身のメンツのためにも、環境を変える意味合いが含まれているかもしれない。

「小林も同様ですが、同一リーグには出したくないと思っている。動くとすれば、交流戦明けから球宴までの間。『トレードを申し込まれたら』と受け身の姿勢で検討していくのかもしれません」(同)

この2人が本当に動くとなれば、中盤戦以降の戦い方も変わってくる。特に中田は、これまでの鬱憤を爆発させるような活躍を見せるかもしれない。

働き場所を求める2人の去就が注目される。

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