「長閑」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


ゆったりした時間が心身を癒やす

正解は「のどか」です。

【長閑の語源と漢字の由来】

「長閑(のどか)」は、静かで穏やかなさま、特に春の天候や気分がゆったりしているさまを意味する形容動詞です。

「長(ちょう/ながい)」は、時間がゆったりと流れる様子や、季節の移り変わりを、「閑(かん/しずか)」は、「ひま」「静か」という意味を持ち、ゆとりや落ち着きを示します。この二文字で、「ゆったりとした時間の中で、静かに落ち着いている様子」というイメージが強調されています。

和語の「のどか」の語源は、もともと「のど」という語に接尾語の「か」が付いた言葉です。「のど」は「静か」や「ゆるやか」という意味を持つ古語であり、特に「天気が穏やかな様子」を指す言葉として古くから使われてきました。

【ゆったりとした時! 長閑(のどか)のトリビア】

●「のどけし」という古語
「のどか」は、古語の「のどけし」(形容詞)が変化した言葉です。「うららかで静か」という意味で、『万葉集』などの文献にも登場します。

●春の季語
「長閑」は「長閑な日(のどかなひ)」のように、春の穏やかな気候を表す言葉として用いられるため、俳句では春の季語とされています。

●「長閑」は場所と時間の形容
天候だけでなく、「長閑な田舎」「長閑な風景」のように、風景や場所が静かで落ち着いているさまを形容する際にも使われます。また、「長閑」という言葉には、慌ただしくない、時の流れが遅く感じられるといった、時間の感覚に関するニュアンスが強く含まれています。

●対義語は「多忙」
「長閑」がゆったりと落ち着いているさまを意味するため、その対義語としては「多忙(たぼう)」「多事多端(たじたたん)」など、慌ただしいさまを示す言葉が挙げられます。

●「うららか」との違い
「うららか」も春の季語で穏やかさを指しますが、「光が明るく、晴れ晴れとしたさま」を表すのに対し、「のどか」は「雰囲気全体が静かで落ち着いているさま」を表現します。

●「のどかさ」の幸福感
「長閑な暮らし」という表現は、物質的な豊かさよりも精神的なゆとりや充足感を重視する、日本人の幸福観を表す言葉の一つでもあります。

●「長」の字の役割
「長閑」の「長」の字は「時間が長く続く」という意味だけでなく、「ゆったりと大きく広がる」という空間的な穏やかさも示唆しています。