「急須」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


鉄分を多く含んだ赤茶色の土で作られた常滑焼の急須は、愛知県の名産

正解は「きゅうす」です。

【急須の語源と漢字の由来】

「急須(きゅうす)」は、煎茶やほうじ茶など、日本茶を淹れる際に使う茶器です。蓋と注ぎ口、そして側面に取っ手が付いているものが一般的です。

漢字の「急須」は、音読みの「きゅうす」がそのまま定着した言葉です。「急(きゅう)」は「いそぐ」という意味の他に、「突然」「すばやい」といった意味を持ちます。また、「須(す)」は「まつ」「もとめる」という意味の他に、「短い時間」といった意味合いも持ちます。

この「急須」という言葉は、中国の「急須(ジースー)」という茶器を指す漢語が、日本に伝来し定着したものです。

【日本茶の相棒! 急須(きゅうす)のトリビア】

●「急須」と「茶瓶」
関西地方の一部では、急須のことを「茶瓶(ちゃびん)」と呼ぶ地域もあります。ただし、「茶瓶」は本来、「湯冷まし」や「茶筒」を指すこともありました。

●横手の理由
日本の急須に側面の取っ手が多いのは、茶葉が詰まりにくいように、茶碗に注ぎきる際にお湯を最後まで絞り出しやすいという機能的な理由からです。

●中国の急須
中国の「急須」は、多くが取っ手が後ろにある「後手(うしろで)」や、取っ手が上にある「上手(うわて)」の形をしており、日本の「横手」とは形状が異なります。

●常滑焼の急須
愛知県の常滑焼(とこなめやき)は、急須の有名な産地です。特に朱泥(しゅでい)と呼ばれる、鉄分を多く含んだ赤茶色の土で作られた急須が知られています。

●急須と煎茶
急須は、江戸時代中期に煎茶が一般に普及し始めて以降、その飲茶方法に適した茶器として日本で広まりました。

●茶こしの進化
初期の急須には茶こしがなく、注ぎ口の穴だけでしたが、後に金属製の網(アミ)が付けられ、さらに陶器でできた「ささめ」や「セラメッシュ」といった高性能な茶こしが開発されました。

●蓋の役割
急須の蓋は、茶葉を蒸らす役割と、注ぐ際に中の茶葉が飛び出ないようにする役割があります。蓋の裏にある穴は、水圧を調整する役目も果たします。

●「急須で淹れるお茶」
最近では、割れにくいプラスチック製や、フィルターを内蔵したポット型の急須も登場し利便性が高まっていますが、現代において「急須で淹れる」という行為は、手間をかけて丁寧に暮らすという、生活の豊かさの象徴として捉え直されています。