「強ち」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


よくよく考えると、行きつく場合が多い

正解は「あながち」です。

【強ちの語源と漢字の由来】

「強ち(あながち)」は、「必ずしも」「まんざら」といった意味で使われる副詞で、主に後に「〜ない」「〜とは限らない」といった否定表現を伴って使用されます。

漢字の「強ち」は、「強」という漢字一文字に「あながち」という和語を当てた熟字訓です。もともと「強」の字が持つ「力ずくで」「無理やり」といったニュアンスから、「強引に言えば」「無理に断定すれば」という意味合いになり、それが転じて「全面的には」という、部分否定を導く言葉になりました。

和語の「あながち」の語源は、古語の「あながつ」(穴勝つ)が変化したものという説があります。「あながつ」は、「穴(あな)」(欠点、短所)を「勝つ(かつ)」(優る)という意味で、「短所にもかかわらず優れている」、つまり「無理にでも押し通す」という、強引なニュアンスを持っていたことに由来します。

【部分否定の強調! 強ち(あながち)のトリビア】

●否定形とのセット
「強ち」は、「強ち嘘ではない」「強ち間違いとは言えない」のように、「全面否定はできない」という部分否定を表現する際に不可欠な言葉です。
また、否定形を伴うことで、間接的に「ある程度は正しい」「まんざらでもない」といった肯定的な意味をにおわせる役割を果たします。

●「強いて」との違い
「強いて(しいて)」も「強」の字を使いますが、こちらは「無理に」「あえて」という意味で、行動を促すニュアンスが強いのに対し、「強ち」は判断や評価に使われます。

●文語的表現
「強ち」は、日常会話で使われることは少なく、書き言葉や改まった文章、文学作品で用いられる、文語的な表現です。

●「まんざら」との類義
「強ち」は、「まんざら(満更)〜ない」と意味が近く、「全てではないが、部分的には良い」という評価を婉曲的に伝えることができます。

●「必ずしも」との違い
「必ずしも〜ない」も部分否定ですが、「強ち」には「無理やり押し通す」という、もともとの強引さのニュアンスがかすかに残っています。