「灰汁」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識 【難読漢字よもやま話】


取り除くと美味しさがアップ!

正解は「あく」です。

【灰汁の語源と漢字の由来】

「灰汁(あく)」は、主に調理の際に、食材に含まれる渋み、苦味、えぐみなどの不要な成分、あるいは煮る際に表面に浮き出る泡や不純物を指します。漢字の「灰汁」は、熟字訓であり、それぞれの漢字の意味から「あく」という読みは導き出せません。

ちなみに、もともと「灰汁」は草木を燃やした灰を水に溶かして作った「上澄み液」を指しました。この液にはアルカリ成分が含まれ、「洗浄剤」や「染色の補助剤」として使われていました。

これが、口に入れたときに感じる渋い味やえぐみ、すなわち「不快な味」という意味に転用されるようになり、さらに調理で取り除く不純物全般を指すようになりました。

和語の「あく」の語源は、この「灰汁」という漢字に由来し、転じて「えぐい味」や「粘り気」を意味するようになったと考えられています。

【味の要! 灰汁(あく)のトリビア】

●昔の用途
かつて「灰汁」は、天然のアルカリ性洗剤として、または麺やこんにゃくを作る際の凝固剤として、生活に不可欠なものでした。

●灰汁抜き
食材に含まれる不快な味や渋みを取り除く調理操作を「灰汁抜き(あくぬき)」と呼びます。タケノコやワラビなどの山菜は、この作業が特に重要です。

●灰汁は人間にも使われる
比喩として使われる「灰汁が強い(あくがつよい)」という表現は、人や性格、態度が個性的で粘り強い、あるいはしつこいという意味で使われ、しばしば「アクの強い俳優」のように、強烈な魅力を伴う場合もあります。

●動物性・植物性の違い
肉や魚から出る灰汁は、主にタンパク質や脂質の変性したもので、白い泡状になります。一方、野菜や山菜の灰汁は、主にタンニン、シュウ酸などの成分です。

●栄養との関連
一部の植物の灰汁には、ポリフェノールなどの抗酸化作用を持つ成分も含まれますが、過剰な摂取は体に良くないため、調理の際のあく抜きは重要なのです。

●「煮えばな」が灰汁の取り頃
煮物などが煮立ち始める瞬間を「煮え花(にえばな)」と呼び、この時にしっかり灰汁を取ることが、料理の味を左右すると言われます。