定食や蕎麦も楽しめる! 70年以上愛される昼飲みの名店『やぶそば』

すぐ横に大学があるので、手作りの味を求める若者客も多い。
昼は大学生が腹を満たす食堂で、夜になれば近隣の住民から愛される飲み屋に。大岡山の『やぶそば』は昼夜を問わず客でにぎわう、地元の人気店である。

「昭和20年代に店を構えて70年以上です」と笑うのは3代目。駅から少し離れた場所にあるが、夜までの通し営業で昼酒好きには知られた店である。
店のメニューに多彩な揚げ物があり、調理で出た天かすをトッピングに使っているのでコクが違う。
一人で座る老紳士、話に花が咲く妙齢の女性たち、どちらの手元にも酒がある。

注文後、瓶ビールを飲みながらしばらく待つと、松花堂弁当のような立派な器に入った定食が届いた。

ビールは中瓶600円、大瓶650円。これは大瓶を頼むに限る。

この日、選んだのはサワラの西京焼き。
サワラの西京焼き定食(930円)をチョイス。総菜は豚肉とピーマン炒め、ウインナー、ひじき、酢の物など。どれも酒が進む。
焼き魚の他にも総菜が目白押しで、これは酒が足りなくなりそうだとほくそ笑み、追加で日本酒を頼んだ。
焼きワンタン(500円)も酒に合う。

厨房では先代から引き続き母親が調理を担当。町の小さな店はどこも家族経営だった頃を思い出す。

「みんながやってくれっていうから定休日がないんです」
穴子のカツ(500円)は、大根おろしとポン酢でさっぱりと食べられる。
ふと昼から酒を飲んでいる自分が恥ずかしくなった。隣の客が店を出て、「ありがとうございました」と店主の声が聞こえる。商売人としてこの町で生きてきた家族の背中に、頭が下がる思いがした。

『やぶそば』
東京都大田区北千束3-21-8
03-3729-8345
営業時間:11時~20時40分(日曜は〜19時50分、いずれもL.O.)
休み:無休

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2025年7月17日号より
※情報は取材当時のものです

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