血糖値で社会問題の解決にチャレンジ! SympaFit代表・加治佐平が起こす“メンタル革命”

血糖値による「心の安定」を世の中に普及させる

実際に加治佐が関わったアスリートでは、二軍では無双するのに一軍のマウンドではまるで結果が残せないピッチャーが、食事前にボウル1杯のサラダを食べることでメンタルが安定した例もあれば、マラソンで後半バテてしまう選手を、血糖値をコントロールしてパフォーマンスを持続させることにも成功。

アスリート個人、チームとも契約し、その人が持つ血糖値の特性によって指導を行い、時に駅伝の区間配置など戦略面にも役立てている。

しかし、この血糖値の可能性はそれだけでは終わらない。我々一般人の暮らしにも大きく役立つ可能性を秘めているという。

「女子の水泳選手のデータを取ったとき、明らかに男子とは違う数値が出た。調べてみると、女性ホルモンと血糖値には密接な関係がありそうだということで、現在、経済産業省から補助金を得て臨床実験を重ねているところです。血糖値によって月の周期が分かると、基礎体温や検査薬では前日にしか分からなかった排卵日が、現在は7日前に92%の確率で分かるまでになりました。つまり排卵日前の自然妊娠しやすいピークに合わせることが出来て、妊活をより効率的に行うことができるようになります」

’23年に設立されたSympaFitは現在、アスリートのサポートと妊活にのみ運用がされつつあるが、その本丸はメンタルヘルスの改善である。

現在、鬱病患者は日本で127万人、世界では2億8000万人ともいわれている現代病だ。そんな世界で加治佐が死ぬ前にやるべきこと──それは、血糖値による「心の安定」を世の中に普及させることだという。

「そうですね。この長年研究してきた血糖値とメンタルの関係を、残りの人生で世に出して広く普及させたいという思いがあります。メンタルを安定させて、よりよく生きるために。血糖値にはそれぐらい大きな可能性があるということです」

憧れていた神宮のマウンドで、結果を残せなかった死ぬまで続く後悔が、今の加治佐の原動力になっている。失敗しても、そこから糧を得て何度でも立ち上がろうとする。加治佐の生き様は、我々に大切な姿勢と血糖値の重要性を教えてくれている。

(完)

取材・文/村瀬秀信

「週刊実話」1月8・15日号より