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座敷わらしの出る部屋でスゴい光景が…~原田龍二の『不思議な世界』

原田龍二
原田龍二(C)週刊実話Web

前号で紹介した秋田の『からまつ山荘』での出来事から3カ月経った、2018年8月。やはり座敷わらしが出ると言われている、福島県の『松林閣』を訪れました。ここには、4歳の女の子と2歳の男の子の座敷わらしがいるという噂が。しかも2人は、宿泊者の布団に潜り込んで髪や体を触るいたずらをするらしいのです。〝吾妻五葉松〟という部屋に出ると聞き、ここをモニタリングすることに。

宿に着くと、若女将が館内を案内してくれました。見せてくれたのは、踊り場の白壁にある小さな子どもの手形。気がついたらそこにあったそうなのですが、女将の子どもたちとは年齢が合わない。さらに多数の人から座敷わらしの目撃談が寄せられている、という話も伺いました。いよいよ、〝吾妻五葉松〟に宿泊します。

寝る前には風船をふくらませたり、「僕の体を触ってください」と話しかけるなど、座敷わらしの興味を惹く恒例のルーティンをしました。そしていつものごとく、睡魔に負ける僕。翌朝カメラをチェックすると、午前2時にすごい光景が映っていました。いびきをかいている僕の手が、スーッと上がっていきます。しかもその手は、静かに下ろされていく。寝ているなら、手はバタッと力なく床に落ちるはず。しかし誰かがそっと置いたように、手はゆっくり下がっていきました。座敷わらしはきっと、僕のリクエストに応えてくれたのでしょう。自分自身がいたずらされたという意味では、唯一無二の現象でした。

座敷わらしに会いたい人へのアドバイス

こうして何カ所か、「座敷わらしが出る」と言い伝えられている場所を訪ねていますが、共通するのは「音」です。僕は基本的に、座敷わらしに対してはイエスかノーで答えられる質問をします。「今、いらっしゃいますか?」と聞くと、コンという音が。「男の子ですか?」「女の子ですか?」と尋ねると、女の子でコン、という音が。答えてくれているんだな、と感じます。

座敷わらしは、怖い存在ではないと思っています。「座敷わらしが出る」と有名な岩手県の『緑風荘』が火事で全焼しましたが、お客さんも従業員も全員無事でした。そういう宿の床の間は、お客さんが持参したお菓子やオモチャで溢れています。

だからもし、あなたが座敷わらしと出会ったとしても、怖がらなくて大丈夫です。出ると噂のある宿にわざわざ泊まりに行く人は、怖がらないとは思いますが(笑)。みなさんは「御利益がありますように」と願いを込めて泊まっているようで、一種のパワースポットとなっているのです。

座敷わらしに会いたくて、そのような宿へ行く人にアドバイスをするならば、「会いたい」という気持ちを強く持つこと。宿泊者の話しかけるトーンやたたずまいを、座敷わらしは部屋の中で観察しているはず。「会いたい」という気持ちを前面に出せば通じるのではないかと、僕は思っています。

原田龍二
1970年生まれ。ドラマやバラエティーで活躍する一方、芸能界きってのミステリー好きとして知られ、近著に『ミステリーチェイサー原田龍二の謎のいきものUMA大図鑑』がある。現在、『バラいろダンディ』(MX)で金曜MCを担当。YouTubeチャンネル『ニンゲンTV』を配信中。

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