魔の500メートルバンクに全敗! 涙の「回収率0割」を救った大宮南銀の立ち飲み名店

回収率0割0分0厘のボロ負け状態

立ち飲みの名店『なごみ』

6~7Rはレディースなので見、これが見事に2レースとも一番人気、2連単250円、270円なら躊躇なく全財産ぶっこめば黒字にはなったろうが、そんな度胸がありゃ苦労しないよ。

雨に濡れながら昨日と同じ売店に行って本日はセコくふかし芋200円。貧乏人は芋を食え、を実践。かつて競輪場といえば通路で台車販売するオバチャンから芋やらみかんやら大福やらを買ってモゴモゴ食いながら打ったもの。そんな懐かし食品ふかし芋のある大宮競輪だが、往年のような場内の活気はないのが寂しい。

8RS級一般。当たらないので、ついに2車複車券に落ちぶれた。荒れるのを期待したが当たってはくれず、9R一般、鉄板①⑦から弱気の三連複だがよもやドベ⑥が3着でハズレ。

負け戦おそるべし、3連複でも670円。10RS級準決はかすりもせず。神様にお祈りした11R、車券は3連複①③④、①④⑦、4角出るまで①④⑦が、直線でズルズル後退して結果①③⑥。また⑥かよ…。

やはり500バンクは魔物だった。配当は比較的穏当だったが、当たらないものは当たらない。2日間、17レース購入、勝率0割0分0厘、回収率0割0分0厘。そぼ降る小雨に濡れながら競輪場を後にした。
大宮駅前に戻り、ひとり敗戦の反省会をするのは南銀入口近く、脇道に入ったところにある立ち飲みの名店『なごみ』だ。

酒とつまみはチケット式、ビール大瓶580円、煮込み130円にイカリング270円。テーブルに並ぶオッサン客はみな孤独で無口に飲んでいる。筆者も寡黙に立ち飲み、敗北の苦しみを噛みしめつつハードボイルド気分に浸る。

こういう空間があるところが大都市・大宮の良いところだ。車券が全敗でも、立ち飲みの980円ぐらい、いいじゃないか。大瓶ビールでほどよく酔ったところで、大宮駅から都内へ帰宅。交通費約500円。それでいいのだ。小説や夢じゃなく、これが現実というものだ。

「週刊実話タブー」1月9日号より