無人酒場のカオス! 利益かコンプラか、経営者を悩ます「未成年と酔っ払い爺さん」集客の“地雷”

画像はAIで生成したイメージ

【令和無人ビジネス闇3】
AIやセルフレジの氾濫で人類が仕事を失う一方、駐車場にアパレルにレンタルオフィスと補助金も抜群に通りやすい無人ビジネス界隈が隆盛を極めつつある。参入できるのは今しかない!! そこで先輩参入者に、無人ビジネスの実態を聞いてみた。

セルフ式居酒屋が増殖中

蛇口をひねればレモンサワー。ボトルが並べられたサーバーで日本酒飲み比べがし放題。客が自分で酒を注ぐ「セルフ式居酒屋」が近年急増中だ。

SNS全盛の現代に適合するエンタメ性もさることながら、店的には人件費が浮く。その分、客には低価格でサービスを提供できるため、双方ウィンウィンのシステムと言える。

極めつけに、最近では免許証で年齢確認のできる専用自販機などを設置した「無人酒場」まで登場。居酒屋業界最大の鬼門である酔客の対応とも無縁となるため、現在経営者界限からも注目されている。

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無人化で地元高齢客が店から撤退

「実家が酒屋で角打ちもやってて、地元の爺さんたちが夕方から飲んでるのですが、肝心の親父も歳なので店内で寝てるんですよ。
客は勝手に酒を注いで正の字を書いて飲んだ杯数をメモしてるのですが、当然信用できるはずもなく、専用のディスペンサーや両替機を置いて完全に無人で回せるようにしたんです。
爺さんたちからは非難轟々で実際に半数以上は離れましたが、代わりに若い客層が来るようになって親父も喜んでますよ(笑)」(起業家・44歳)

とはいえ、酒飲みにとって一杯ごとに免許証を読み込ませるのは地味に面倒。常連客たちからもそんな声が大きかったため、こっそりこの装置を切り、自由に購入させていた時期もある。

すると、たちまち以前の面倒な爺さんたちのみならず、未成年と思しきガキどもまで集まって店内はカオス化。やはり「儲けはそこそこでも気苦労やトラブルと無縁な方がよい」と判断して、現在はコンプライアンスを遵守して営業中だ。

「週刊実話 ザ・タブー」2026年1月9日号より