鮮魚がリーズナブルで味わえる酒飲みのるつぼ 新宿『地下ん屋』

日本一の繁華街・歌舞伎町で、最近何かと話題の大久保公園からすぐ近く。そんな場所でハズレ無しの海鮮料理が楽しめる店は貴重だ。
地下にあるから『地下ん屋』。変わった名前の店は、歌舞伎町の最奥、どう見ても怪しい雑居ビルの地下1階にあった。

初見で「ここに入ろう」と思う人はいないだろう。だが、薄暗い階段を降りたら、思いがけず清潔な空間が広がっていて驚く。

若い店員たちの威勢のいい声に案内されて席に着くと、壁一面に張られたメニューの豊富さに圧倒されるが、よく見れば価格は良心的。

メニューは常に100種類以上。店員も覚えるのが大変。

客層も若者から年配まで幅広い。ある意味で酒飲みのるつぼである。

聞けば新宿に数店舗を展開する人気店の系列で、「グループでまとめて仕入れるから、魚介を安く提供できる」とは店長の弁。

アユの塩焼き(650円)は生ビール(500円)と合わせたい。

「頼まないのは損」という看板メニューの刺し身盛り合わせは850円。

刺し身盛り合わせ(850円)。左からカツオ、クジラ、アジ、カンパチ、サーモン、タコ、イワシ、タイ。種類は仕入れにより変動。3切れ、4切れなど人数に合わせてオーダー可。

おすすめの生がきは手のひらサイズで350円。

生がき(350円)とレモンサワー(500円)の最強タッグ。

大きなかきを思い切って丸ごと口に放り込んだら、うまみがはじけた。

舌に残る余韻を惜しみながら、日本酒でゆっくりと味わうべきだったと後悔する。

従業員の父親が杜氏(とじ)を務める青森の酒、八甲田おろし(500円)。甘さの中にある力強さが、刺し身と合う。

お代わりを考えていると「10個食べた人もいますよ」と店長が笑う。

繁華街なのに気安く飲めて、隠れ家感もある。酒好きなら間違いなく押さえておきたい店である。

地下ん屋

東京都新宿区歌舞伎町2-39-8ダーマビルB1
03-6205-6883
営業時間:18時~翌6時
休み=無休

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2025年6月19日号より
※情報は取材当時のものです

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