【難読漢字よもやま話】「鮃」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


海底の忍者!?

正解は「ひらめ」です。

【鮃の語源と漢字の由来】
「鮃(ひらめ)」は、カレイ目ヒラメ科に属する魚で、その名の通り平たい体を特徴とします。漢字の「鮃」は、魚類を表す「魚へん」に、平らなさまを表す「平(へい、ひら)」が組み合わさった形声文字(その体形の特徴をそのまま漢字に表したもの)です。

和語の「ひらめ」の語源は、その平たい体から来た「ひら」に、魚であることを示す接尾語「め」が付いたという説が有力です。

【驚きの鮃のトリビア】
●「左ヒラメに右カレイ」の定説
ヒラメとカレイを見分ける有名な定説は、魚の腹を手前にして置いたとき、目が左側にあるのがヒラメ、右側にあるのがカレイという法則です。ただし例外も存在します。

●高級部位「縁側」の正体!
寿司ネタなどで珍重される「縁側」は、ヒラメの背びれと尻びれを動かすための筋肉で、脂が乗っていてコリコリとした食感が特徴です。

●実は生育ともに変態する
ヒラメは、生まれたばかりの頃は一般的な魚と同じように左右対称ですが、成長に伴って片目が移動し、平たい成魚の形に変態します。これは海底生活に適応するためです。

●ヒラメの旬は真冬
ヒラメは、一般的に冬が旬とされ、特に寒鮃(かんびらめ)と呼ばれて珍重されます。寒くなることで身が締まり、脂の乗りが増すためです。
ちなみに、成長したヒラメの中にはその大きさと平たい体から、座布団という異名で呼ばれるものもいます。重さが10キロを超えることもあるほどです。

●「裏表」で体色が違う
ヒラメは、海底の色に合わせて体色を変化させる保護色の能力を持っていますが、腹側(白い面)は常に白いままで、裏表で体色が大きく異なります。

●食文化での地位は海外でも高い
日本では刺身、寿司のネタとして非常に人気の高い高級魚ですが、フランス料理でも高級食材として使われ、特にムニエルやポワレが有名です。

●遊泳能力◎の肉食系
ヒラメは平たい体ですが、水中を俊敏に泳ぎ回る能力を持っており、特に獲物を追う際には海底から飛び出して素早く捕獲します。カレイよりも肉食性が強いです。