【難読漢字よもやま話】「躊躇」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


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【躊躇の語源と漢字の由来】
「躊躇(ちゅうちょ)」は、ためらってぐずぐずすることを意味します。「躊」も「躇」も、もともとは「立ち止まる」「足踏みをする」といった、足の動きに関わる意味を持つ漢字です。

「躊」は「ためらう」、「躇」は「とどまる」というニュアンスがあります。この二つの漢字が組み合わさることで、行こうか戻ろうか迷って足踏みをし、行動を決めかねている状態を表すようになりました。「ちゅうちょ」という読みは、それぞれの漢字の音読みがそのまま組み合わさったものです。
立ち止まることも大切かも
【躊躇に関するトリビア】
●「躊躇」と「迷い」の違い
「躊躇」は、行動を起こす直前に生じるためらいや足踏みを指しますが、「迷い」は行動の方向性そのものが見つからない状態を指します。時間的な範囲が異なります。

●「三思後行」との関連
「躊躇」は行動の遅れと捉えられがちですが、慎重に考えるという側面もあります。「三思後行(三度考えてから行動する)」という教訓と、内面的なつながりがあります。

●心理学での「回避行動」
心理学的には失敗や批判への恐れから、行動を意図的に遅らせる回避行動の一つとして捉えられることがあります。ネガティブな結果を避けたい心理が働いています。

●対義語は「即決」
「躊躇」が決断を遅らせることであるため、その対義語は「即座に決める」「迷わず実行する」といった意味合いを持つ「即決」や「断行」が挙げられます。

●ビジネスでの評価
ビジネスの場においては、「躊躇」は機会損失につながるとして否定的に評価されがちですが、リスクが高い状況では慎重さとして評価される両面性を持っています。

●詩歌における表現
詩や歌詞の中では、この言葉は切ない恋心や人生の岐路における主人公の複雑な心情を表す重要なモチーフとして、情緒的な表現に用いられます。
また、芸術作品において人物が何かを決断する前の「躊躇」の瞬間は、ドラマや緊張感を生み出す上で欠かせない要素です。このためらいが物語を動かします。