【難読漢字よもやま話】「襦袢」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


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【襦袢の語源と漢字の由来】
「襦袢(じゅばん)」は、着物(長着)の下に着用する、和装用の肌着・下着の総称です。主に、汗を吸収して着物を守る役割と、着崩れを防いで着姿を整える役割を持ちます。

この言葉は、ポルトガル語の"gibão"(ジバン、胴着の意味)が語源であるという説が有力です。これが室町時代末期から江戸時代初期にかけて日本に伝わり、「じゅばん」という音に変化したと考えられています。

漢字の「襦」と「袢」は、ともに「衣」に関わる漢字で「襦」は短衣や下着を、「袢」は胴衣や袖なしの服を指す中国語由来の漢字です。これらが音を借りて「じゅばん」に当てられましたが、元の中国語の熟語としては存在しません。
役割は着物を汚れからガード

【和装の立役者! 襦袢のトリビア】
●「半襦袢」と「長襦袢」
「襦袢」は、着物と同じくらいの長さを持つ「長襦袢」と、上半身のみで裾(すそ)がない「半襦袢」の大きく二種類に分けられます。用途や着物の種類で使い分けられます。

●役割は着物を守ること
襦袢の最も重要な役割の一つは、汗や皮脂を吸い取り、高価な表の着物(長着)が汚れるのを防ぐことです。これにより、着物の寿命を延ばします。

●「二枚襟」の役割
長襦袢の襟は、着物の下に重ねて着た際に二重の襟のように見えますが、この襟が顔と着物の間に清潔な境界線を作ることで、着姿を美しく見せます。

●時代による変遷
江戸時代初期に導入された当初は、武士が鎖帷子(くさりかたびら)の下に着る肌着としても使われており、徐々に一般の和装の肌着として普及していきました。

●「振り」の重要性
長襦袢には、「振り」と呼ばれる、着物の振り(袖の下の開口部)から覗く部分があります。ここも着物の柄や色に合わせてコーディネートの要素となります。

●素材の多様性
襦袢の素材は、吸湿性や肌触りを重視し、絹(正絹)が最高級ですが、現代では手入れしやすい木綿、麻、ポリエステルなども広く使われています。