【難読漢字よもやま話】「恰幅」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「かっぷく」

【恰幅の語源と漢字の由来】
「恰幅(かっぷく)」は、体格が大きく堂々としているさま、特に威厳や風格がある体つきを意味します。

「恰(あたかも/かつ)」という漢字は、「ちょうど良い」「適当な」という意味のほか、「立派なさま」を表す意味を持ちます。

「幅(はば/ふく)」は、横方向の広さや物の広がりを指します。この二つの漢字が組み合わさることで、「ちょうど(威厳ある)良い広がりを持った体つき」、つまり堂々としていて風格のある体格を指すようになりました。

特に、豊かさや貫禄を伴う体型をポジティブに評価する文脈で用いられます。
時に肥満と揶揄されることも…

【風格を纏う! 恰幅のトリビア】
●ポジティブなニュアンス
「恰幅が良い」という表現は、「太っている」という単なる体型の描写ではなく、そこに威厳、貫禄、または豊かさというポジティブな評価を含む点が特徴です。

●「肥満」との違い
医学的な「肥満」は健康上の問題を伴う体型を指しますが、「恰幅」はあくまで見た目の風格を評価する言葉であり、必ずしも健康状態とは結びつきません。

●歴史的な評価
かつては、恰幅が良いことは食物に恵まれ、社会的地位が高いことの証と見なされ、特に武士や富裕な商人などにとって望ましい体型とされていました。

●「貫禄」との類義性
「恰幅」は体つきを表す言葉ですが、「貫禄(かんろく)」は、経験や地位からくる重々しい態度や風格を指します。恰幅の良さが貫禄を支える要素の一つとなります。

●服装との関係
恰幅の良い人は、和装(特に紋付袴)や洋装(ダブルのスーツなど)を着用すると、その体格の広がりが強調され、さらに威厳が増すとされることがあります。

●漢籍からの影響
「恰」の字が持つ「立派なさま」という評価は、中国の古典において、賢人や高官の容貌を描写する際のポジティブな表現として使われたことに由来します。