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JRA重賞『エプソムカップ』(GⅢ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

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先週の安田記念はダービーに続いてのGⅠ連勝を狙ったのだが、川田ダノンキングリーの大駆けにあってホゾを噛む結果に。

2、3着のグランアレグリア、シュネルマイスターの馬連は大本線だったのに…と天を仰いでもあとの祭り。ちょっと調べれば、重賞では川田のほうがルメールを圧倒し、人気薄でも来ているというのに…、あとで気が付く何とやらだ。

ただ、ダノンザキッドなど人気馬でヘグる事も多いので、川田騎乗馬は見極めが難しい。このダノンキングリーだって、前走ペケの馬だけになあ…と思い返すのである。本来ご贔屓の川田騎手を最近〝浮気〟して以来、どうも相性が良くなくなってきた。ここらで〝復縁〟を迫ろうかな、と、どのツラ下げて、虫の良い話ではあるね。

安田記念のせめてもの救いは、ダービーほど勝負していなかったので、まだ軍資金的には余裕のヨッチャン。宝塚記念までGⅠはお休みだが、合間の〝中休み〟的GⅢ戦だってしっかり闘いを挑みたい。で、今週は、同じGⅢでも遠い札幌の地で行われる函館スプリントSより、わが地元・府中で行われるエプソムCを優遇してチョイスしたい。

〝映画馬券〟としては、シュリからそのものズバリ『シュリ』(99年)を思い出す。韓国映画の新時代を告げたスパイ・アクションで、この映画の大ヒット後〝南北対立〟という設定が社会派娯楽映画の中で完全に定着する。爆弾テロにからんだ凄腕の北朝鮮工作員と韓国情報部員との死闘、その〝愛と裏切り〟を大スケールで描いて大いに興奮させられた。今でも韓国映画で一番興味津々となるのはこのジャンル。〝分断国家〟ならではの悲劇と葛藤…テーマの種は尽きまじ、である。ちなみに〝シュリ〟とは淡水魚の名前で、ここでは北朝鮮スパイのコードネームとして使われている。

シュリとガロアクリークで‟映画馬券“となるか…

あとはガロアクリークのガロアから『007/ゴールドフィンガー』(64年)における悪のボンドガールの名前〝プッシー・ガロア〟をすぐ連想してしまうね。何たって〝プッシー〟が付くんだもの、十代のころすぐに覚えたっけ。演じたオナー・ブラックマンが実にセクシーだった。そのオナーも昨年4月に死去、94歳の大往生とはいえ、寂しい限りだ。そういえばご本尊の〝ミスター007〟ショーン・コネリーも昨年90歳で逝ってしまった。現役の競走馬にもムーンレイカーとかスペクターとか007に因んだ名がけっこういるもんだ。「映画は煎じ詰めれば007、女優は最終的にはボンドガール」と、平気で暴言を吐き、この最高最長の娯楽アクション・シリーズをガキのころから夢中で見続けてきたボクとしては、せいぜいこれらの馬たちにも愛着を込めて応援したいものだ。

とりあえずの一番手は迷うところだが、1600~1800が守備範囲と思われる⑧アルジャンナを抜擢する。前々走・川田、前走・福永から今度はルメールが騎乗。これが吉と出るか凶と出るか? とはいえ、縦目も十分あり得るので、東京走る⑱アトミックフォース、距離短縮が吉と出るか⑬サトノフラッグ、こちらは1800が最適と見る⑯シュリ、⑦ファルコニアとの5頭ボックスで馬連&3連複で慎重に。穴には⑭ガロアクリーク、④セタブリランテスあたりをピックアップして、アルジャンナ、シュリがらみの馬連&3連複を。シュリとガロアクリークでキマれば立派な〝映画馬券〟となるし、馬券的にも太いのでは、と取らぬタヌキの皮算用ではあるが、このあたりで遊んでみたい。人気どころでは、ヴェロックスは東京の成績がイマイチ、ザダルは半年以上の休養明けだし、重賞でどこまで? ということでここは切らせていただく。買い目は⑦⑧⑬⑯⑱の馬連&3連複ボックス。④⑧、⑧⑭、④⑯、⑭⑯の馬連。⑧⑯縛りの④⑭への3連複。馬連&3連複ともに10点以上となるが、トリガミも覚悟しつつ、内心、薄目に抜けろ! と念じたい。

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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