『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』“ロックの英雄”心の奥底の声に注目!

ジェレミー・アレン・ホワイトの演技も見事!

スプリングスティーンにとっては、そのトラウマが大人になっても残っていたせいで人に心を開くのが苦手になったのかも。素敵な女性フェイと出会いますが、せっかくの幸せを自分から突き飛ばしてるように見える。

フェイは彼を愛し、いろんなことをアドバイスしたり、素敵な言葉を彼に投げかける。

でも、ずっと引っかかる気持ちのせいなのか、スプリングスティーンの彼女に対する態度は、とても残念。うん、スプリングスティーンを反面教師として見てもいい。でも、同時に応援もしたくなる。

名曲『ボーン・イン・ザ・USA』のレコードジャケットにも裏話があって、アルバムのリリースの考え方もかなり興味深かった。

知らなかった事実に“なるほど”と頷いてしまいました。

今も頑張っているスプリングスティーン、あの力強い声と曲の裏には悲しみや葛藤がいっぱい。これから彼の曲を少し違う気持で聴くかも。良いものはいつまでも良く、彼の経験を知ってさらに好きになります。

“ドキュメンタリー!?”と思うかもしれませんが、ジェレミー・アレン・ホワイトが見事にスプリングスティーンを演じています。あの個性的な口の開け方など本当に似てます。

でも、似てようが似てまいが、スプリングスティーンの心の奥底の声を聞いてほしい。“芸術の秋”を音楽と映画で堪能するのもいいのでは。

『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』
監督・脚本:スコット・クーパー
出演:ジェレミー・アレン・ホワイト、ジェレミー・ストロング、ポール・ウォルター・ハウザー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
11月14日(金)全国ロードショー

「週刊実話」11月20日号より

LiLiCo(リリコ)

映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。