激増するクマ被害に蝶野正洋が注意喚起!「人間と野生動物がどう共存していくのかを改めて考えるべき」

被害を減らすには抜本的な対策が必要

昔はよく熊に襲われたら「寝たふりをしろ」って言われたけど、あれはアテにならない。クマも食べ物が欲しいだけで最初から人を襲ってやろうと思ってないだろうけど、こちらが何もしないでジッとしてたら攻撃される可能性が高くなると思う。

あと、クマは逃走する対象を追いかける傾向があるらしい。背中を見せたら追ってくるかもしれないから要注意だ。

クマ対策としては近づかせないために大きな音を出す爆竹や花火を使ったり、至近距離だとクマ撃退スプレー(唐辛子成分であるカプサイシンを発射するスプレー)を発射するのが効果的みたいだけど、いきなり遭遇したら慌ててしまって、速やかに道具を使うことができないかもしれない。

もし逃げ場がなくなり追い込まれてしまったら、シンプルだけど大きな声を出したり、奇声を上げたり強気に対応するしかない。

これらはクマに出くわしたときの最終的な対策で、被害そのものを減らすには、もっと抜本的な対策が必要だね。

人間たちの生活圏を見直すとか、柵を設けたりするような防衛的な対策に加えて、個体数の管理という意味で積極的に駆除していくことも必要だと思う。

ただ「銃殺するのはかわいそう」という動物愛護的な意見も多いらしい。それなら捕獲するしかないんだけど、捕まえたクマをペットのように飼うわけにもいかないから、その保護先を考えなくてはならない。

今年、和歌山県の動物園のパンダが中国に帰ったから、その檻で捕まえたクマを飼育するとか、クマ牧場のような収容施設を作ったりすればいいだろうけど、それには莫大なコストがかかってしまうだろうね。

俺も含めたほとんどの日本人は、クマなどの野生動物に対して警戒が緩んでいたし、被害が出るまでちゃんと考えてこなかった部分はある。人間と野生動物が、どう折り合って共存していくのかを改めて考えていくべきだね。

「週刊実話」11月20日号より