インフルエンザ感染者が急激に増加 原因は“夏の異変”にアリ!?

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「高熱を訴えるインフルエンザ患者が10月中旬から急激に増えている。今年は季節性インフルエンザが過去20年間のうち2番目の早さで流行期に入っています。早めにインフルエンザの予防接種を受けた方が賢明です」(東京都江東区の内科クリニック院長)

厚生労働省によると、10月19日までの1週間に報告された1医療機関当たりのインフルエンザ患者数は全国で3.26人。前週の2・36人から約1.4倍に増え、9週連続の増加となった。

今年は残暑が長引き、屋内で冷房を使用する時間が増えた。冷房による乾燥はウイルスが生き残りやすく、喉や鼻の粘膜も乾燥して感染しやすい状態を作る。こういった条件も重なり、早期流行しているとみられる。

「インバウンド(訪日外国人客)の増加も影響している。インフルエンザは常に世界のどこかで流行しています。世界各国から観光客が来れば、インフルエンザウイルスが日本に持ち込まれるリスクは高まる」(同)

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台湾や香港の流行種が上陸

日本国内で増えているインフルエンザはA型(H3N2)。これは台湾や香港で7月から8月に流行したものと同じ型だ。日本政府観光局によると、9月は台湾から約53万人、香港から約15万人が訪日している。

「厚労省が直近で発表したインフルエンザ患者報告数で、沖縄が15.04人と飛び抜けて多かったのは、インバウンドに人気がある観光地だからでしょう。東京は5番目の5.59人です」(医療ジャーナリスト)

千葉県市川市の『藤巻耳鼻咽喉科医院』藤巻豊院長がこう語る。

「インフルエンザウイルスに感染してから通常1~3日間ほどの潜伏期間後、38度以上の発熱・頭痛・全身の倦怠感・筋関節痛などが突然現れ、咳、鼻汁などの上気道炎症状が続きます。合併症として高齢者は肺炎・気管支炎を起こしやすい。子供は中耳炎やインフルエンザ脳症を引き起こす可能性もある。インフルエンザは冬の病気と思わない方がいいですね」

すでに全国各地でインフルエンザ様疾患による学級閉鎖が発生。要注意だ。

「週刊実話」11月13日号より