再生か崩壊か 高市政権が直面しかねない「地方切り捨て」と日本経済の「地盤沈下」

通貨、債券、株「トリプル安」の可能性も

経済財政同様、超保守派と称される高市氏が「決断と前進の内閣」で重んじるのが外交と安全保障面だ。

高市氏は岸田内閣で’22年に「防衛費を’27年度までにGDP(国内総生産)比2%に増額」と決めた目標を2年前倒しで今年度中に講じると表明。また、’22年末策定の「国家安全保障戦略」など安保関連3文書も改訂し原子力潜水艦保有も視野に入れている。

「防衛費前倒し増強はGDP比3.5%を求める対トランプ米大統領対策でもある。だが、来年以降も防衛費増やガソリン暫定税率廃止で恒久化が続くなら、他の予算を削るか国債発行に頼るしかない。高市氏の経済・財政政策は国債発行量を約3~4割増やすに匹敵する。1300兆円超の債務を抱える日本にそんな体力はない。エコノミストの一部からは『ギリシャ破綻』『トラス・ショック』が起きかねない懸念の声があります」(政府関係者)

「トラス・ショック」とは、英国の女性首相トラス氏が財源の裏付けがないまま打ち出した大減税政策で、通貨安、債券安、株価下落の「トリプル安」となり、就任からわずか45日で退任に追い込まれたもの。3年前の’22年10月のことだった。

山積する難問を抱えての高市丸の出航。早々、嵐に巻き込まれ「難破(短命政権)しないか」の不安は強まるばかりだ。

「週刊実話」11月13日号より一部内容を変更