高知直送の酒と魚を味わう 高円寺『三神森』

店主は生まれは愛媛だが宿毛で働いていた。店名の由来は力士だった父親の四股名から。
高円寺にある『三神森』は高知県宿毛出身の店主が営む居酒屋だ。

うまい魚を売りにする店は多いが、都内で四国直送の魚を楽しめる店はそう多くない。だから舌の肥えた酒飲みが集まってくる。

高知の魚を使っていることが評価され、知事から表彰されたことも。
その昔、店主は宿毛のスーパーで鮮魚を担当していた。上京した今も当時のつながりを生かして、魚の仕入れをしている。
珍しいゾウリエビが入荷。見た目はユニークだが刺し身は透き通っていて甘い(2,200円)
刺し身を口に入れると、ブリっとした食感に驚く。身がしっかりと引き締まっているのは「新鮮な魚を脱水シートに包んで一晩寝かせて、うま味を引き出している」からだ。
特上3点盛り1800円。この日は本マグロ、シマアジ、イシダイとどれも高級魚。大ぶりにカットされた刺し身はまさに絶品。
噛み締めるたびにうま味が口の中に広がり、すかさず酒を流し込む。大葉と大根のつまで口の中をサッパリさせ、もう一度刺し身の持つうまさを堪能する。これは、酒が止まらなくなる。
高知の酒も充実。この日、飲んだのは桂月(750円)。甘さの中に優しい酸味があり魚とよく合う。
ウニを練り込んだバターでアオリイカのげそを炒めたものは、ビールと合わせたい。いいアジが入った日はフライがおすすめだ。
「アオリイカのげそウニバター炒め」750円。コクのあるウニバターの風味とイカの歯応えがマッチング。ビールはサッポロ赤星(750円)。
魚はうまいし酒もうまい。ふと、宿毛はどんな所か聞くと「陸の孤島だよ」と笑う。旅先でいい店に出会ったような気分になり、今夜も酒が進むのであった。
『三神森』
東京都杉並区高円寺北2-17-4 New Riverビル 1F
090-3098-8176
営業時間:18時~23時、日曜は~22時
休み:月曜 

撮影・文/キンマサタカ

週刊実話2025年5月22日号より
※情報は取材当時のものです

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