蝶野正洋が日本人選手の海外流出防止策を進言!「活躍してもらうには金銭条件と話題作りが重要」

ファンはハプニングが起こる瞬間を見たい

この状況を変えるためには、選手から見て、ずっと日本で活躍したいと思われるような団体にならないとダメだろうね。そのために金銭的な条件をよくすることはもちろんだけど、ファンとのつながりを実感できるような話題作りも重要になってくる。

女子プロレス団体「スターダム」の上谷沙弥選手が、テレビのバラエティー番組に積極的に出演して人気を博している。シーズンレギュラーで出演していた朝の情報番組『ラヴィット!』(TBS系)でプロレスの試合を行って、その模様を生中継するということも実現させた。

地上波の生中継で女子プロレスの試合が行われたのは、23年ぶりだという。TBSという近年はプロレスにあまり関わっていなかった放送局で、しかも、プロレスから縁が遠そうな主婦層が多く見ている朝の時間帯で放送したのも快挙だよ。

試合結果だけなら手元のスマホですぐに情報を得ることができる時代だからこそ、こうした生中継というのは価値がある。やっぱりファンは、ハプニングというか“何か”が起こる瞬間を見たいんだよ。

例えば大谷選手だったら、ホームランを打つところとかね。記録を更新するような場面をリアルタイムで共有したいから、生中継から目が離せなくなる。

さまざまな情報があふれ返って複雑になっているぶん、今後、シンプルでストレートな生放送というのは、より貴重になっていくだろうね。

「週刊実話」11月6日号より

蝶野正洋(ちょうの・まさひろ)

1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。