朝乃山がロンドン公演を尻目に“倍返し”の猛稽古 再入幕をかけた九州場所は嵐の予感

高砂部屋HPより

鬼の居ぬ間に洗濯ならぬ、爪を研ぐだ。

10月15日から開催された大相撲の34年ぶりとなる2度目のロンドン公演は19日、大盛況の内に幕を閉じた。

「由緒ある会場の『ロイヤル・アルバート・ホール』は連日、超満員。力士たちは、人気者の宇良がマジシャン、翔猿がフライングモンキー、豪ノ山がブルドーザーなどとユニークなニックネームで呼ばれ、猛ハッスルしていました」

現地からの報道はそう伝えている。

こんな幕内以上の力士たちを横目に、次の九州場所(11月9日初日、福岡国際センター)は“見ていろ”とばかり忍従の日々を送っているのが、日本に残留しているケガ組の大関琴桜や幕内の草野らをはじめ、十両以下の力士たちだ。

中でも、元大関の十両、朝乃山(31)の精進ぶりがひと際、目についた。

朝乃山が左膝に大ケガを負ったのは昨年の名古屋場所のことだった。3場所連続休場して2度目の三段目落ちを経て、再び十両に復帰した先場所は12勝(3敗)したものの、惜しくも十両優勝、即再入幕とはならなかった。

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出稽古ではサポーターを外して発奮

10月27日発表の九州場所の番付発表では、幕内まであと一歩、という十両の上位進出が予想される。新しい年は元の幕内で、と意気込む朝乃山にとっては勝負の場所だ。

「これではジッとしていられるはずがない。横綱大の里らがロンドンに向けて出発した2日後には相撲を取る稽古を再開。その2日後は出稽古に来た十両の旭海雄らと連続10番取ったあと、これまで相撲を取るときは負傷した左膝につけていた分厚いサポーターを初めて外し、さらに5番取りました」(大相撲担当記者)

朝乃山は「いずれはサポーターを外して取れたらいいな、という思いがあるので、1回やってみようかな、と思ったんです。思ったよりも大丈夫でした」と話し、「再入幕を決めるためにも2ケタ勝ち星、十両優勝を目指さなくては」と視線は上向きだ。

朝乃山の変身ぶりにロンドン公演から帰国した力士たちは目を剥きそう。

「週刊実話」11月6日号より