日本プロ野球よりMLBの方が面白い? ドジャース快進撃で再燃する“CS不要論”

ドジャースXより
大谷翔平が所属するロサンゼルス・ドジャースが、ワールドシリーズ進出を決めた。

メジャーリーグ(MLB)のポストシーズンは、まさに全米の注目が集まるクライマックス。プレーオフの一戦一戦が重みを持ち、スタジアム全体が熱狂と緊張に包まれる。

そんな中、日本では同時期にプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)が開催されているが、両者の“熱量の差”を痛感するファンが増えている。

「MLBのポストシーズン見てたから、NPBのCSの攻守交代と投球間のテンポの悪さが地獄みたいに長い」「MLB見るノリでNPB見たらめっちゃおもんない。スモールベースボール嫌い」

MLBの試合はピッチクロック導入でテンポが大幅に改善され、2時間30分ほどで終わる試合も珍しくない。

打者は構え直しを繰り返せず、投手もモタモタできない。プレーごとの“間”が短くなったことで、試合全体に緊張感が走る。

「クライマックスシリーズは何の為の制度か分からない」

一方でNPBのCSは、依然として攻守交代や投球間の時間が長く、テンポの悪さが際立つ。試合が3時間半を超えることも多く、「間延びして見ていられない」と感じるファンが増えているのも無理はない。

また、CS制度そのものに対しても、ふたたび疑問が集まっている。

「メジャーのプレーオフは制度として理に適ってる。一方で日本のクライマックスシリーズは何の為の制度かよく分からない」  「ホークスは引き分けでも日本シリーズに行けるらしい。なに引き分けって?」

MLBのプレーオフは、地区優勝とワイルドカードを明確に分け、勝率上位チームがきっちりと勝ち抜いていく。

下克上は起こり得るが、その分だけ挑戦者の熱さが際立つ。シーズン162試合の重みを前提にした、合理的なトーナメントといえる。一方でNPBのクライマックスシリーズは、レギュラーシーズンの上位3チームが出場するが、1位チームにアドバンテージが与えられるだけ。しかも最終ステージでは“引き分けでも上位チームが勝ち抜け”という独自ルールが存在する。  

この“中途半端な制度”が、シーズンの価値を薄めているのではないかという指摘は根強い。 

CSは「興行として成功」だがファンの熱量は冷え込み気味

もちろん、NPBがクライマックスシリーズを導入した背景には、興行的な理由がある。

シーズン終盤でも複数球団に優勝争いの希望を持たせ、ファンの関心を維持する狙いだ。実際、CSの視聴率や球場動員は一定の成果を上げてきた。

しかし、ファンの“体感温度”は年々下がっている。  

「レギュラーシーズンで優勝したのに、短期決戦で全部リセットされるのは納得いかない」  「CSがあるせいで、シーズンの意味が薄れる。優勝チームが報われない」

制度としての“意義”より、“興行”としての側面ばかりが強調される現状に、疑問を持つファンも少なくない。

大谷翔平の「リアルタイム神話」でNPBが退屈に?

大谷翔平の存在も、NPBの“地味さ”を際立たせているのだろう。

ドジャースの一員として歴史的な活躍を続け、彼の一挙手一投足に全世界が注目する。エンゼルス時代には孤軍奮闘のイメージが強かったが、今季は強豪チームで勝利に直結するプレーを連発。  

その“リアルタイム神話”が、日本の野球を相対的に小さく見せてしまっているのだ。

CS不要論は、単なる“制度批判”ではない。日本野球が再び世界基準へ、どのように向き合うかという問いでもある。

MLBのように、合理的かつスリリングなシステムを導入できるのか。あるいは“日本的野球”を守り抜くのか。

いま、ファンの興味はメジャーに流れつつある。 CSのたびに繰り返される「これでいいのか」論争は、NPBが抱える構造的な遅れの象徴と言っていいだろう。