制服や体操服、上履き…「SDGs」の余波か “危ない商品”がフリーマーケットにズラリ

商品暗号化に“生脱ぎ”のいかがわしさ

「まず、申し込み名義が成人であるにもかかわらず、実際に参加していたのは中学生や高校生の未成年者であること、商品の入手ルートが彼らの友人や後輩からの提供だったり、母校のバザーで生徒を対象に限定販売されていた品物であることが分かりました。
現役の学生さんが使用済みの制服や体操服を高額で売り、新しく買い直すことで儲けていたようですし、本来関係者以外は入手できない学校指定品などもあることから、不適切な品物であると感じました。
驚いたことにSNSで告知をして、ブルセラ趣味の男性を呼び込んでいたみたいですね」販売の様子を注意深く観察していた岡野さんはふとおかしな様子に気が付いたという。

「《SKM》や《PT》など、アルファベッドで暗号のようなやりとりがあり、Aたちはこそこそと品物を売り渡していたんですが、それが学校指定品の水着や下着だったんです」

岡野さんは、女子高生と思しき少女が「自身が身に着けていたもの」だと説明しているのも聞いたし、別の少女が履いていた靴下をその場で売っていたところも目撃したという。

「生脱ぎというヤツですよね。こんな風俗みたいなことが健全なフリーマーケットで公然と行われていることに強い不快感と憤りを感じました」

岡野さんは第三者を装って主催者に通報。厳重注意と出禁命令を受けたAたちは主催者とひと悶着を起こしつつも撤収して行ったそうだが、岡野さんの不快感は消えない。

「私が住んでいる地域は地方のせいか、コンプライアンス意識が低いような気がするんです。私にもAたちと同じ年ごろの子どもがいるので、簡単に自分たちの尊厳をお金に換えようとする彼らの意識が本当に嘆かわしいんですよ」

「大げさですかね?」と岡野さんは自嘲気味に付け加えたが、これが社会全体の認識であって欲しいと思う。

取材・文/清水芽々

清水芽々(しみず・めめ)

1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。