【難読漢字よもやま話】「雪崩」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「なだれ」

【漢字の由来と語源】
「雪崩(なだれ)」は、古い大和言葉の動詞「なだれる」が名詞化したものです。もともとこの言葉は「坂や崖などを勢いよく滑り落ちる」「崩れ落ちる」といった意味を持ち、「土がなだれる」「水がなだれる」など、特定のものが崩れ落ちる様子全般に使われていました。

そこから「雪が崩れ落ちる現象」を指す名詞として「なだれ」という言葉が派生し、この言葉自体が「傾斜に沿って崩れ落ちる」という意味として定着したのです。

漢字については、前述通り雪が山肌を「崩(くず)れる」ように流れ落ちる現象を表すために、「雪」と「崩」を組み合わせて作られたと考えられています。

雪山は恐ろしい

【雪崩に関するトリビア】
●雪崩の種類はさまざま
雪崩は、構成する雪の種類や動き方によって、乾雪雪崩、湿雪雪崩、表層雪崩、全層雪崩など、さまざまな種類に分類されます。それぞれ危険度や発生しやすい条件が異なります。

●速さが新幹線に匹敵する場合も
一部の雪崩は、時速200キロを超える速度で移動することがあります。これは、新幹線の速度に匹敵します。特に粉塵雪崩と呼ばれる種類の雪崩は、空気と雪が混ざり合い、摩擦が少ないため非常に高速です。

また、雪崩が発生しやすい傾斜は一般的に30度から45度と言われています。これより緩いと雪の重みに耐えられ、急すぎると雪が溜まりにくいためです。

●雪崩に巻き込まれた時の生存率
雪崩に巻き込まれた場合、生存率は時間とともに急激に低下します。最初の15分以内であれば約90%ですが、35分後には約30%にまで低下すると言われています。

●雪崩救助犬の活躍
雪崩に巻き込まれた人を捜索するために、訓練された雪崩救助犬が活躍しています。犬は人間の何倍も優れた嗅覚を持っており、雪の下に埋まっている人を見つけることができます。

●雪崩対策技術の進化
近年では、雪崩の発生を予測したり、発生を防いだりするための技術が進歩しています。人工的に雪崩を発生させることで、自然に発生する雪崩の規模を小さくしたり、雪崩の経路を制御したりする試みも行われています。