【難読漢字よもやま話】「庇う」なんて読む? 言葉にまつわる由来と豆知識


正解は「かばう」

【漢字の由来と語源】
「庇う(かばう)」の語源には諸説ありますが、有力なのは古語に「かほふ(かほる)」という動詞があり、これは「隠す」「覆い隠す」といった意味を持っていたとの説です。

それが「かばふ」となり、現代の「かばう」になったと考えられています。もともと物理的に何かを覆い隠す意味合いが転じて「不利な状況や危険から守る」といった意味で使われるようになりました。

また、「庇」という漢字は、屋根の下に人がいる象形文字です。屋根が人を守る様子を表しており、「おおう」「かばう」という意味を持つようになりました。

弱者をかばう

【かばうに関するトリビア】
●一説には「皮を張る(かわをはる)」の変化との説も
「かばう」の語源には諸説ありますが、その一つに「皮を張る」が変化したという説があります。これは、何かを覆って守る、盾となるイメージから来ていると考えられています。

●「守る」とのニュアンスの違い
「かばう」には大きく分けて物理的に危害から守る(例:身を挺して子供をかばう)ことと、言動によって人の罪や過失を覆い隠したり、弁護したりする(例:友人の嘘をかばう)意味がありますが、「守る」が広範な「保護」を意味するのに対し、「かばう」は特に「差し迫った危害や非難から、具体的な対象を身をもって、あるいは言動で保護する」という、より個人的で切迫したニュアンスが強いです。

●動物界にもある「かばう」
動物の世界でも、親が子を外敵から守るために体を張って「かばう」行動は頻繁に見られます。これは本能的な行動として知られています。

●ビジネスシーンでの「かばう」
ビジネスシーンでは、部下や同僚のミスを上司がかばうことがあります。これは、責任取ることを回避させる処置ですが、その半面、成長の機会を与えることに繋がるなどさまざまな意図が考えられます。

●「かばいすぎ」は禁物
「かばう」から派生して、「かばい立て(かばいだて)」という言葉もあります。これは、ある人物の過ちや非難されるべき点について、一方的に擁護・弁護することを指します。行き過ぎた擁護や身内びいきのニュアンスを多分に含んだ言葉です。